金沢21世紀美術館

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EXHIBITION展覧会

アペルト12 安西剛 「ポリ-」 (※延期となりました)

2020年6月27日(土) -
2020年9月27日(日)

《distance》2019

インフォメーション

期間:
2020年6月27日(土) 〜2020年9月27日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
長期インスタレーションルーム
休場日:
月曜日(ただし 、8月10日、9月21日は開場)、8月11日(火)、9月23日(水)
料金:
無料
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

延期のお知らせ
新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、「アペルト12 安西剛 『ポリ-』」の開幕を延期しておりましたが、6月27日(土)より開催いたします。なお、展覧会終了の期日は今後変更になる場合があります。終了期日が決定しましたら美術館ウェブサイト、Twitter等でお知らせいたします。何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

安西剛(1987年生まれ)は日用品、とりわけ安価で大量に出回っているプラスチック製品を主な素材とし、それらの機能や意味を無効化し、オブジェクトとして提示したときに、人々がどうそれを見るのか、どう関係するのかについて考察しています。

不思議な動きをする日用品、ゴミとなるはずのプラスチックの梱包容器から模られた彫刻、プラスチックの断片をなぞったドローイング…。カラフルで楽しげで、どこか子どもの遊びの延長のようにも見える安西の作品は、しかし、見知ったものが知らない動きや表情を見せる様子に、どこか得体のしれない気味悪さも感じさせます。

展覧会のタイトル「ポリ-」はポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなど、プラスチックと総称される多くの素材の接頭語である「ポリ(poly)」からきています。この言葉には「多数の・多種の」という意味があり、また化学分子が結合して重合した状態を表す接頭語でもあります。石油が原料とは知っているものの、私たちの多くはその違いをほとんど認識せず、作られ方もわからないままそれらを「プラスチック」として認識し、日々の生活の中で使っています。

世界的にその使用量や処理方法について問題になっている昨今、一方で、それが無いという状況を想像できないほど、あまりにも日常的に使われているプラスチックと人間との関係性について、「近いのに遠い、不思議な距離感」と安西は語ります。この展覧会を通して、自分たちを取り巻く社会の不可解さや不確かさについて問いかけます。

作家プロフィール

photo:冨田了平

安西剛 (あんざい つよし)

1987年生まれ、埼玉県在住。2009年東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒、2011年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。主な展覧会に「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、神奈川、2013年)、「Jailhouse Locke」(大和日英基金、英国、2018年)、「2016 Core Exhibition」(ヒューストン美術館、米国、2016年)、「The Strange Objects」(Pohang Museum of Steel Art、韓国、2017年)など。

作家ステイトメント

プラスチックと人との間には、近くて遠い奇妙な距離感がある。
私たちはたくさんのプラスチックに囲まれている。もし突然文明が崩壊したり、猿が支配する惑星に辿り着いてしまったら、私はプラスチックを一から作り出せるだろうか? 何らかの化学反応で石油からプラスチックができるなんて、とても実感が湧かない。こんなにも身近なのにリアリティがないなんて、まるでファンタジーの世界の話のようだ。
今、海洋ゴミや二酸化炭素の排出量が問題になっている。個人の心がけが大きな結果を生む、という人もいる。にも関わらず、私は宅配を依頼し、プラスチックの容器に入った薬を飲み続ける。重大な社会問題を差し置いて、満員電車の席をとることに一喜一憂する。
近すぎても遠すぎてもよく見えない。そこには適切な距離というものがあるのかも知れない。でも丁度良い地点に居続けることは難しい。近づいたり遠ざかったり、私たちは常に運動の最中にいる。

主要作品解説

《distance》2018

《distance》

本作は、カメラ・オブスクラの手法を使った映像作品です。カメラ・オブスクラは閉ざされた暗い空間に小さな穴をあけると、外の光が入り込み内部で像を結ぶ、紀元前から知られていた光学的な原理です。外部の映像が暗い中に映し出される様子は、魔法のように思えたことでしょう。一方この作品で私たちが目にするのは、スーパーやホームセンター、100円均一の店で見かけるような実用的なプラスチック製品が、モーターによって予測不能の動きを強いられている様子です。暗い箱の中から音が聞こえ、ぼんやりと様子を見ることもできるのに、何が起こっているのか直接目にすることができないもどかしさ。私たちが認識している世界の不確かさについて考察する作品です。

《なにかの抜け殻》

本作は、私たちがよく目にするものを型として制作された彫刻作品です。とは言え、一見して、これとわかるものは少ないでしょう。この作品は、どれも文房具や工具などが販売される際に覆われているプラスチックのパッケージを型としています。パッケージは中身の製品を取り出せば捨てられてしまうものであり、その多くは製品の形そのものとは異なる形をしています。製品を保護する膜であり、殻とも言えるそれらパッケージは極めて存在感が薄いものですが、そこから鋳造された彫刻は、製品だけではなく、パッケージそのものともまた別種の造形となって、私たちの前に確かな質量を持って並びます。

《Artifact no.2》2019

《Artifact》

海洋プラスチックは今や世界トップクラスの環境問題です。石川県も例外ではなく、多くの海岸で、国内外の漂着ゴミが散乱しています。これらがもし砂に埋もれ、長い年月を経た後に発掘されたとしたら、どのように分析され、どのように復元されるでしょうか? 安西は、私たちが古代に作られた粘土片や金属片を見て用途を想像するように、海洋プラスチックの破片の「修復」を試みます。

「アペルト」シリーズとは

「アペルト」は、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会のシリーズです。
金沢21世紀美術館は世界の「現在」とともに生きる美術館として、今まさに興りつつある新しい動向に目を向けています。作家とキュレーターが作品発表の機会を共に創出し、未来の創造への橋渡しをします。
国籍や表現方法を問わず、これまで美術館での個展や主要なグループ展への参加経験は少ないが、個展開催に十分な制作意欲を持ち、アペルト実施以後のさらなる飛躍が期待できる作家を紹介していくものです。
※「アペルト(aperto)」は、イタリア語で『開くこと』の意味。

Images

    《distance》2018

    《Healthy Machines》2019

    《Artifact no.2》2019

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]