リジア・クラーク Lygia Clark
------------------------------
1920年、ミナス・ジェライス(ブラジル)生まれ。1950-51年、パリに渡り、アルパド・スゼンヌに師事。1954年、第 回ヴェネツィア・ビエンナーレ、ブラジル代表。1953年以降、サンパウロ・ビエンナーレに10回にわたり出品、1961年の第6回目には国家彫刻賞受賞。1988年、リオ・デ・ジャネイロにて没す。
エリオ・オイティシカ、リジア・パペなどとともに、ブラジルで起こった新・具体運動の一員として、モンドリアンやマレーヴィッチなどヨーロッパの抽象美術を批判的に継承し、絵画から出発。そのメンバーのなかでもクラークは、幾何学的抽象の形式を用いつつ、有機的なものを表現することに取り組んだ。再現的なイリュージョンや伝統的なシンボル、自然主義的な色彩を排したモダニズムの還元性から、身体的な関心へ向かい、観客の感覚を実験するような作品を手掛ける。メビウスの輪や衣服のような内部と外部が反転する作品を制作しているが、そこでは、対象として作品が観客の外部にあることが否定され、観客と物体との相互作用の中に作品性を生み出すことが目指されていた。

「動物」シリーズ Bicho (Animal)
1960年頃から手がけているシリーズで、1960年10月に初めて発表された。アルミニウムの板を組み合わせて、蝶番のように動くようになっており、畳むと平面になる。作家はその有機的な形体と背骨のような蝶番から「動物」という題名をつけている。複雑に板が組み合わされているため、動くとはいっても完全に自由に動くわけではない。観客がこの作品に対してその形体を生み出そうと働きかけたとき、その作品が持っている固有の動きの性質によって、観客が動かし方を規定する。それによって作品と観客の間には、作用・反作用の双方向的な関係が生じる。キネティックの一つという捉え方をされることもあるが、観客との相互作用を生じさせる点がカルダーなどと異なる特徴である。「動物」シリーズには、畳むと円形になるものや、方形になるもの、またそれを組み合わせたものなど、様々な形体があるが、その中で、≪二つの蟹≫は直線の組み合わせ、≪それ自身に≫は、円形のものである。
≪それ自身で≫ 1962
素材等:アルミニウム
サイズ:H42×W50×D33cm
(サイズ可変)