EXHIBITION展覧会
主催展覧会2016
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コレクション展1
Nous ぬう
2016年5月21日(土) - 2016年9月25日(日)
「Nous」とはフランス語で「わたしたち」を意味する言葉です。「わたしたち」は女性たちであり、また男性たちでもあります。ものを作り出すこと、思いを形にすることに女性と男性の区別はありません。ただ、その手法としての「手芸」を取り上げてみれば、この言葉はおもに女性の創作活動として認知されてきたという歴史があり、暮らしのなかで何かを表現したいと感じた女性たちの多くは、絵筆よりも身近にある、針と糸を思わず手にしてきました。 ひたすらに針をすすめる時間の恍惚感、家族のために縫うことの幸福感と疎外感、自分のために縫うかけがえのない時間、縫うことには多くの思いが込められています。また、縫うことによって生まれる衣服は、着る人そのものを伝えるものでもあります。日常の延長で生み出される作品に、名付けようのない些末で複雑な感情が表現されています。鑑賞者である「わたしたち」のこれまで意識しなかった感情も、これらの作品を通すことによって浮かび上がってくるのではないでしょうか。5名のコレクション作家と、4名のゲスト作家をあわせ、9名の女性作家の作品を展示し、手芸とアート、そしてジェンダーについて考えていきます。
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no new folk studio「Orphe」
2016年5月21日(土) - 2016年9月25日(日)
履き手が動くと楽器のように音を奏で、さまざまな光と色を放つ新感覚シューズOrphe(オルフェ)。ユーザーの動きに反応して奏でられる音と光の軌跡は、身体の動作によって生み出されます。no new folk studioは菊川裕也が2014年に立ち上げたスタートアップ事業です。音楽を生業にしたいと楽器を作りはじめ、音楽系ハッカソンで靴の形をした楽器Orpheのプロトタイプを開発しました。その後もエンジニアやデザイナーらとの恊働によりその精度を高め、いよいよ本格的な販売が始まります。靴や楽器といった固有の何かではなく、あらゆる境界やジャンルを乗り越えるOrpheは、ユーザーの使い方次第で無限の可能性を秘めています。 本展では、Orpheを履いたダンサーが真夜中の美術館を縦横無尽に駆け巡る映像作品《Motion-Score》をご紹介します。ダンサーの動き(Motion)が音と光に変換され奏でられることから、動きがまるで楽譜(Score)のようです。3面スクリーンでは3つのテーマに基づき映像が展開されます。美術館内を自由に歩き廻る「回遊」、Orpheをまるで楽器のように操る「協奏」、そしてOrpheの音と光が建物と呼応し合う「反響」。次世代クリエイター集団が作り出す音楽インターフェースOrpheをご堪能ください。
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アペルト04
Nerhol Promenade / プロムナード
2016年5月21日(土) - 2016年8月28日(日)
紙、印刷物の彫刻作品に取り組んできた彫刻家 飯田竜太、グラフィックデザイナーとして平面/視覚情報と向き合ってきた田中義久、その二人の邂逅から生まれたアーティスト・デュオがNerholです。物質とイメージといった別の角度から、互いに「紙」という日々大量に消費される流通物と向き合ってきた二人の協業は、大量の像を刻んだ紙の彫刻作品を生み出し、独特の立体感を持つヴィヴィッドな姿とともに見るものに鮮烈な印象を与えてきました。 Nerholは本展覧会にて、街路樹を少しずつ輪切りにししながら撮影された一枚一枚の写真を、大きく引き伸ばして束にし、刻み込んで制作された新シリーズ「multiple – roadside tree」や鏡面紙を用いた新作を発表します。美術館全体を遊歩の場としてとらえ「プロムナード」と名付けられた本展では、見る角度や距離によって多様な表情を見せる新作を通して、回遊することから現れてくる作品との関係について問いかけていきます。 山峰潤也(金沢21世紀美術館 アシスタント・キュレーター)
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SUPERFLEX One Year Project ― THE LIQUID STATE / 液相
2016年4月29日(金) - 2017年3月12日(日)
SUPERFLEXは、コペンハーゲン(デンマーク)を拠点に活動するヤコブ・フィンガー、ラスムス・ニールセン、ビョルンスティエルネ・クリスチャンセンの3人によるアーティスト・ユニットです。現代社会における既存の制度や枠組みに言及しつつ、コミュニティに対して働きかけ、新しい公共空間の創出を提案しています。 今回は、金沢21世紀美術館の建物を微生物を培養する「シャーレ」に見立て、コミュニティとの関係を「培養」「発酵」「醸成」の3つのキーワードで読み解く、約1年間にわたるプロジェクトに取り組みます。
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西京人—西京は西京ではない、ゆえに西京は西京である。
2016年4月29日(金) - 2016年8月28日(日)
2007年に小沢剛(1965年生まれ、埼玉県在住)、チェン・シャオション(1962年生まれ、北京在住)、ギムホンソック(1964年生まれ、ソウル在住)の3人のアーティストが、西京から来た人を意味する「西京人」という名でコラボレーションチームを結成。北京でも東京でもソウルでもないアジアのどこかの国、「芸術を愛する人々が住む国」について物語るというプロジェクトをスタートさせました。西京は、現実からかけ離れた創造上の出来事というだけでなく、我々が生きる現代という時代を照射した語として読むことが出来ます。今回はこれまでの作品の中から、《第3章:ようこそ西京に—西京オリンピック / 西京冬季オリンピック》 《第4章:アイラブ西京—西京国大統領の日常》 《第4 章:アイラブ西京—西京国の学校》と、最新作となる《第5章:西京は西京ではない》などを発表します。また、同世代で同時代を生きる3人が、独立したひとりのアーティストとして発表してきた近作の中から、歴史への対峙や哲学的考察を含むインスタレーション、映像、絵画、パフォーマンスなどの作品も紹介します。
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アペルト03
坂野充学 可視化する呼吸
2016年1月30日(土) - 2016年5月8日(日)
本展では、坂野充学が2012年に制作した5面のスクリーンによる映像インスタレーション《Visible Breath》を展示する。坂野は、1977年石川県鶴来町(現白山市)に生まれ、同地で育ち、現在は東京と石川を拠点に活動する映像作家である。坂野は東ロンドン大学で美術と映像制作を学び、帰国後、映像による作品を制作してきたが、近年、地元鶴来の祭りなどの伝統に関心を持つようになった。その調査を受けて生まれたのが本作品である。「鶴来」が「剣」と同音であり、鉄の生産を通じて古代から出雲や大陸との交流があったことをモチーフに制作された。鶴来の伝説に坂野の解釈をちりばめたフィクショナルな内容で、文化の交流をめぐって、見る人の様々な想像力を喚起する。 鷲田めるろ(金沢21世紀美術館 キュレーター)
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コレクション展2 歴史、再生、そして未来
2015年11月28日(土) - 2016年5月8日(日)
本年度のコレクション展Ⅰは、私たちにとっての「いま」を問いかける機会としました。それに続くコレクション展Ⅱは、近年新たに収集された作品の紹介とともに、既存のコレクションを再解釈することによって私たちの「未来」を考察する展覧会です。様々な国において、また国内の諸地域においても社会的な価値観が短期間で変化してゆく21世紀のなかで、現代美術はどのような可能性を持つのでしょうか。「歴史」や「再生」というテーマのもと、これからの私たちがたどる道程を皆さんと共に想像する機会となれば幸いです。 また昨年に続き、「粟津潔、マクリヒロゲル2」も同時開催します。今年度のタイトルは「グラフィックからヴィジュアルヘ:粟津潔の視覚伝達論」。1955年の第5回日本宣伝美術(日宣美)展にて《海を返せ》で日宣美受賞以降の日宣美展の出品作品ほか、1960年代の粟津潔のグラフィック及び表現を紹介します。
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廣村正彰「金沢でJunglin'」おぼろげ
2015年11月21日(土) - 2016年5月8日(日)
デザインという言葉に含まれる「美」と「思考」が様々な問題解決の糸口を与えてくれます。それはデザインのすべきことをさらに拡張していき、デザイン自体のフィールドを大きく広げているのです。周辺から本質を見ると未来が見えてくる−デザイナー廣村正彰がデザインワークの思考プロセスで金沢の風景を読み解き、金沢21世紀美術館デザインギャラリー空間で新作を展開します。 2010年より始まった、デザイナー廣村正彰による映像インスタレーションのプロジェクト「Junglin’ジュングリン」。本展では新作「おぼろげ」を展示します。「知っている」と思っていた風景は、視点の少しの変化で簡単におぼろげなイメージになってしまいます。しかし、そのおぼろげな風景は、絵葉書の写真のような記号的なイメージからは遠く離れ、その場所の原始的な姿を見せてくれます。私たちが普段どのように風景を見ているのか、また見落としているのか、本作品を通して体験してください。
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