ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー

2017年11月25日(土) - 2018年3月11日(日)

ジャネット・カーディフとジョージ・ビュレス・ミラーのアジアで初めてとなる大規模個展を開催します。
高度な音響・映像技術と独創的な造形が駆使された彼らの作品は、「聞く」「見る」といった複合的な知覚経験を伴い、鑑賞者はまるで魔法にかけられるかのように、彼らが創りあげた独特の作品世界へと引き込まれます。彼らの作品の前に立つと、見えないものが見え、聞こえない音が聞こえ、私たちは異界へと通じる扉を開くように一瞬で現実を飛び越えて、知覚や価値観を揺さぶられながら彼らの物語に没入してしまうのです。
これまで日本国内では、メゾンエルメスで展示された「40声のモテット」のほか、ヨコハマトリエンナーレや越後妻有アートトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭といった芸術祭にも参加し、作品を発表しています。本展では、《The Carnie》(2010)、《The Marionette Maker》(2014)、《Conversation with Antonello》(2015)などの近作の大型作品をはじめ、新作を含むいずれも日本初公開作品となる8点のインスタレーションで構成されます。金沢21世紀美術館の一つひとつが独立した展示空間に合わせて、いくつもの物語が共鳴するように展開します。現代美術シーンで高い評価を受け続けている彼らの作品世界を余すこと無く体験する絶好の機会となることでしょう。

ローカル・テキスタイル 1

TO&FRO うすく、かるく

2017年11月18日(土) - 2018年4月8日(日)

 「ローカル・テキスタイル」シリーズの第一弾は「TO&FRO」を取り上げます。「TO&FRO」は、金沢市とかほく市の会社「カジグループ」によるトラベルギア(旅行用品)ブランド。ブランド名は「行ったり、来たり」という意味で、気軽な旅をイメージしたものです。
 カジグループは、非常に細い糸を織ることのできる技術を磨き、薄くて軽いナイロンの生地を生産しています。この生地は、世界中のアウトドア製品を展開するブランドに使用されています。「TO&FRO」はこの生地を使ったオーガナイザーなどのプロダクトの自社ブランドです。当展覧会では、このオーガナイザーのほか、様々な布のサンプルを展示します。
 石川県は、織物業とともに織機をつくる工業も発達させてきました。カジグループは、グループ内に織機をカスタマイズする製作所もあり、分業されがちな織物業で、細く切れやすい糸でもテンションを調整できるようにして、薄い糸を織ることを可能にしています。高機能化によって海外の安価な大量生産品に対抗することは、日本の繊維産業の未来を考える上で重要な指針を与えてくれるでしょう。

提供:カジレーネ株式会社

泉太郎 突然の子供

2017年10月7日(土) - 2018年3月25日(日)

泉太郎(1976- )は、映像、パフォーマンス、ドローイング、絵画、彫刻といったあらゆるメディアを交錯させたインスタレーションを主な表現手法とし、国内外で精力的に作品を発表しているアーティストです。泉の作品の特徴として、日常の事物や時には大勢の人々を巻き込みながら、一見、無意味とも思える行為を映像に収めることで、日常に潜む不条理な体験を描き出す点が挙げられます。時間と空間、実像と虚像、表と裏、自由と不自由といった私たちが当然のように切り分けている常識を捏ねくり回し、思いがけない方向から問いを投げかけます。
 本展では新作4点の発表と1点の本の作品に取り組みます。シアター空間と長期インスタレーションルームでは作家にとって初となる長編映画作品とポスターやポップコーン屋台で構成された作品《B:「レンズは虎が通るのをはっきりと捉えていたのだ」》をはじめ、長期インスタレーションルーム外側には、「夜が窓にはめ込まれている」という作品《透明な空想のヨダレ》があります。会期途中に発表される《コンパクトストラクチャーたちの夜明け》は、様々な時間を複層的に重ねて制作した、構造としての映画とも言える作品です。さらに、金沢21世紀美術館の来場者について着目した《Y:「膝を上げよ、そのまま下げよ」 P:「転ばぬよう、石を片付けておきました」》など、金沢での長期滞在中に複数の作品が完成されていきます。また、これら映像やインスタレーション作品と並行して、言葉を操る批評家と泉とのコラボレーションによって言葉を代替し、それを超えるような伝達方法について探る本の作品《暗いネズミ色の本》(仮)にも取り組みます。
 長らく泉が探求し続け、決して解決することのない永遠に広がる問いかけである映像やイメージと身体や意識との捻れた関わりについて、これまでの取り組みを踏まえつつも、全く新しい方法で提示する極めて挑戦的な展覧会となることでしょう。

コレクション展2 死なない命

2017年7月22日(土) - 2018年1月8日(月)

人工知能や遺伝子工学の発達によって「生命の編集」「機械との共存」「不死」といった主題が注目されるよう になり、これまでの生命観や倫理観がいま問われています。今回の展覧会では、当館のコレクションから9 作家を選び、「命が死によって消え去る」という従来の生命観に対して「死なない命」のあり方について考え させる作品を紹介します。さらに4作家の生物を媒体とした1930年代から今日までのテーマに沿う表現を 加えることで「新たな生命を造形する意味」や「人工的な自然を生きることの可能性」など、当館所蔵作品の 意味を新たな角度から読み直し、生命の「いま」について考えます。