matohu 日本の眼 日常にひそむ美を見つける

2012年7月21日(土) - 2012年11月25日(日)

なにげなく通り過ぎるいつもの風景に、新鮮な美が息づいている。日本人にとって、美は超越的な概念ではなく、自然や日常の中にひそんでいる様々な層を繊細に見つめることでした。すなわち「日本の眼」とは歴史のなかで日本人がゆっくりと培ってきた、「美に気づく視点」なのです。

服飾ブランドmatohu まとふ(まとうと読む)は、2005年のデビュー以来、「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトにした独自のスタンスで、東京コレクションにおいて異彩を放ってきました。そして2010年から「日本の眼」をテーマに、日本の美意識をひとつずつ取り上げ、毎シーズン服で表現する挑戦を続けています。金沢21世紀美術館デザインギャラリーでは、「かさね」「無地の美」「映り」「やつし」などをキーワードに、日本の美意識の再発見とその表現を、matohuの最も代表的なアイテム「長着(ながぎ)」―コレクションテーマにそって同じデザインで作り続けられている服―を通して展示します。

歴史の経糸を貫く感性が、現代の生活にどう生かされ、個々人の生活に気づきと豊かさをもたらすのか、そのヒントを見つけに来てください。

Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之

2012年5月3日(木) - 2013年3月17日(日)

「Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之」は、金沢若者夢チャレンジ・アートプログラムの第6弾です。このプログラムは、18歳から39歳までの若者に芸術活動参画の機会を提供し、人間形成へ貢献することを目的としています。今年は、音楽家であるウクレリアン関口和之と美術家フェデリコ・エレロとの出会いによって、音楽と美術の世界が融合する長期プロジェクトを開催します。フェデリコ・エレロが作り出した色彩豊かな造形空間のなかで、「Aloha Amigo - ウクレレのある生活 - 」と題されたウクレレ・プロジェクトが行われます。エレロの伸びやかで繊細な絵画と音楽が共鳴する大空間のなかで、コミュニケーションの多様性や自己表現の可能性を問いかけます。

コレクション展

ソンエリュミエール - 物質・移動・時間

2012年4月28日(土) - 2012年11月4日(日)

光には闇があり、音には無音がある。それぞれは対概念ではなく、ひとつの事がもつ性質である。フランス語で「ソン(son)」は音、「リュミエール(lumière)」は光を意味する。「ソンエリュミエール」は、1952年にフランスで最初に開催されたイヴェントに由来し、以後、照明と音響効果を用いて史跡や有名建築を語る豪華なスペクタクルショーのことを指すようになった。太陽が沈んだ闇夜に人工光が輝き、音楽が流れ、名所の謂れが語られる光景は煌びやかで幻想的である。同時にその効果は表面的で場の固有性は光と音の華やかさに取って代わられ画一化されてしまう。

過剰な情報が氾濫し、莫大なエネルギーが消費される現在、私たちは機械計測的に刻まれる時間に束縛されて日々の生活を送っている。支配的制度としての時間から解放された時、私たちの知覚は変容し、見慣れた現象が新たなかたちをとって姿を現す。光の流れ、音の移動、月の満ち欠け、鉱物に流れる時間—有機的な時空間の中では、流れる時の方向は多様で、個々の経験は計り知れない多義性を帯びた旅となる。

本展覧会では、現代の美術家をそんな旅人と捉え、特に物質、移動、時間をキーワードに世界を見つめ直す。粟津潔、秋山陽、ヤン・ファーブル、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、木村太陽、岸本清子、草間彌生、ゴードン・マッタ=クラーク、カールステン・ニコライ、ゲルハルト・リヒター、サイトウ・マコト、田嶋悦子、マグナス・ヴァリン、アンディ・ウォーホル——彼らは物質の性質と力を習得することによって、自己、イメージ、行為といった非物質的な存在に、物理的なかたちを与える。あるいはまた、物質に依ることで立ち現れる造形表現は、エネルギーの運動態として私たちの眼前にあらわれ、未知なる体験をもたらすとも言える。

ここに切り拓かれた思惟の宇宙を遊泳する旅はつかのまではかなくとも、またとない瞬間として確実に鑑賞者ひとりひとりに記憶されることだろう。

工芸未来派

2012年4月28日(土) - 2012年8月31日(金)

「工芸未来派」展は、工芸の“現在性”と“世界性”を問う企画展である。つまりこの企画は、工芸が今の表現であり世界共通の表現であるか、という疑問から生まれた展覧会である。

今日の工芸は、他の視覚メディアと同様にポストモダンな時代状況を生きている。アニメーション、マンガ、デザイン、現代アートと同様に、工芸は新たなイメージを紡ぎ出す今日の表現メディアなのである。
それは工芸独自の技法を用い、工芸独自の歴史観を参照しながらも、これまでの工芸とは明らかに異なったアプローチをしている。

例えば、工芸の視覚イメージは、これまでは遠く離れていたアニメーション、マンガ、デザイン、現代アート等と通底している。また、発表の仕方も作家それぞれの独自性を持ち異なっているが世界に向けたものである。このように、ある傾向の作品は大きくは同一の方向を持ち、今日の表現として世界に向けて発信している。

このような表現をとりあえずは、“新しい時代の工芸”“未来に向かう工芸”として、工芸の「未来派」と呼んでみたい。12名の作家による展示は工芸一色であるが、“ 今日のアート”として着目してほしい。

(本展キュレーター:金沢21世紀美術館長 秋元雄史)

Olive1982-2003 雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ

2012年2月25日(土) - 2012年7月1日(日)

なぜ『オリーブ』 なの?

80年代から90年代にかけて少女時代を過ごした女性たちにとって雑誌『オリーブ』は、人気が高かったというだけでなく、特別な雑誌でした。かつてオリーブ少女と呼ばれた読者たちは、いま30代、40代となり、オリーブの感性がいまなお生活のなかに息づいています。ファッション誌でありカルチャー誌であった『オリーブ』の誌面には、心地良いライフスタイルの提案とクリエイティブな視点が存分に込められていました。本展覧会では、バックナンバーの分析と、『オリーブ』の制作に関わった人たちと読者たちの声を集め、『オリーブ』の本質に迫ります。そして、時代を代表する『オリーブ』という一雑誌から、「雑誌の時代」を検証するとともに、「現在」としての少女文化(ガーリッシュ・カルチャー)について考えていきます。