1960年代に自伝的で心理的要素に満ちた彫刻作品で注目されたブルジョワは、一般に1980、90年代にはフェミニズムの世代全体に影響を与えた作家と言われている。思春期の混乱が暗示されている出品作の《カップルII》は、ブルジョワが1990年代に始めた布を用いた彫刻シリーズの一つである。家族が従事していたタペストリーの修復に幼少の頃から携わっていた彼女にとって、布を繋げていくというプロセスは自然なものであった。理性と感情、パブリックとプライベート、愛着と憎悪、情愛と残虐さといった二項対立が共存するブルジョワの作品は常に多義性を帯びている。

(1911年パリ生まれ、ニューヨーク在住)


《カップルII》

1996
布、方杖、木とガラス製のケース
68.58×152.4×81.28cm (カップル)
165 x 119 x 201cm (ケース)
オルブライト=ノックス美術館蔵
Sarah Norton Goodyear Fund, 1999
©Louise Bourgeois