展覧会概要
当館のコレクションを紹介するコレクション展では、複雑な視点を織り交ぜ、人々の価値観の変化や転換と呼応する先鋭的な作品を展示し、現代社会の様々な局面を問いかけます。
コレクション展1では、8人の作家による40点の、様々な表現を紹介します。
出品作家の1人、トルコ出身のジャナン・ダグデレンの作品は、自身を取り巻く外の環境とのつながり、文化的アイデンティティを問いかける作風が特徴です。この展覧会では、4つの作品が展示され、「故郷」や「家」をテーマに、その在り方の不安定さを問いかけます。
空間性と身体性を強く意識した作品で世界的に高い評価を受けているエルネスト・ネトによる《身体・宇宙船・精神》は、「ライクラ」という非常に伸縮性の高い布で、有機的で巨大な生命体のような形をした作品です。この作品には実際に中に入ることができます。人の肌のような感触の布、草花の香りが用いられた本作品は、自分をとりまくありとあらゆるものとのつながりを、私たちの身体と精神に直接働きかけます。
また、村上隆の初期の活動を代表する《シーブリーズ》も必見です。底に車輪とテールランプのついた巨大なボックス状の前後にはシャッターがついています。このシャッターは一定時間間隔で開かれると同時に中から直視できないほどの強い光を発します。
その他、ガブリエル・オロスコ、ヨハン・グリモンプレ、日比野克彦、カールステン・ニコライ、川崎和男の作品が展示されます。彼らの表現を通じて、現実の認識や価値観、知覚の有様について、そして自分をとりまく世界について、様々な視点で捉えた表現をぜひお楽しみください。

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