アペルト20 津野青嵐 共にあれない体

2025年10月18日(土) - 2026年4月12日(日)

インフォメーション

期間:

2025年10月18日(土) - 2026年4月12日(日)

会場:

金沢21世紀美術館 デザインギャラリー

休場日:

月曜日(ただし10月27日、11月3日、11月24日、1月12日、2月23日は開場)10月28日、11月4日、11月25日、12月30日〜1月1日、1月13日、2月24日

津野青嵐は、看護大学を卒業後、精神科病院に勤務する傍ら、山縣良和主宰のファッションスクール「coconogacco」でファッションデザインを学びました。スクール在籍中の2018年、ヨーロッパ最大のファッションコンペティション「ITS」のファイナリストに選出されたドレス《Wandering Spirits》は、モデルの首の下から、まるで幽霊の体のようにぶら下がります。3Dペンで描かれた樹脂製のそのドレスは、かろうじて人体の形をなぞりながらも、袖を通すことすらできず、もはや服と呼べるかどうかも怪しいものです。自身の体型を理由に、体との付き合い方に苦労してきた津野は、「身体を無視し、身体から離脱する服を作った」と語ります。数値的な指標に基づく「正常」や「標準」を目指す身体観におそれを感じる一方、困難を抱える本人の主観的な語りを重視するケアのあり方に魅力を感じ、精神科病院での看護師経験を経て、精神障害当事者等の地域活動拠点「浦河べてるの家」で勤務。現在は大学院で「ファットな身体」の研究を行う津野の服作りには、困難を抱える体のリアリティが常に反映されています。 S,M,Lといったサイズにおさまる体型、立って歩ける健康な体……既成の服が持つそのような前提に、津野は問いを投げかけます。さまざまな困難を抱える体と「共にある」ために衣服ができることは何か。服作りを通して、自分自身と他者に対するケアのあり方を探究する津野の活動を紹介します。

関連プログラム

ワークショップ「当事者研究としての服作り」(仮)

日時:2026年4月(会期中、3日間程度予定)  
場所:プロジェクト工房  
定員:10名程度
料金:無料

作家プロフィール

  • 撮影 : 服部芽生

    津野青嵐 Seiran Tsuno

    1990年長野県出身、神奈川県在住。
    アーティスト、ファッションデサイナー、看護師。
    看護大学卒業後、精神科病院勤務と並行して山縣良和主宰のファッションスクールcoconogaccoで学ぶ。2018年欧州最大のファッションコンペ『ITS』のファイナリストに選出された3Dペンを使用したドレスのコレクションが注目される。2019年より北海道にある精神障害当事者等の地域活動拠点「浦河べてるの家」で看護師として勤務。現在は東京科学大学大学院修士課程に在籍し、「ファット」な身体との付き合い方を衣服の共同制作を通して研究中。芸術祭での作品展示や文芸誌などで執筆も行なっている。

展示作品

「アペルト」シリーズとは

  • 「アペルト」は、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会のシリーズです。 金沢21世紀美術館は世界の「現在(いま)」とともに生きる美術館として、今まさに起こりつつある新しい動向に目を向けています。作家とキュレーターが作品発表の機会を共に創出し、未来の創造への橋渡しをします。国籍や表現方法を問わず、個展開催に十分な制作意欲を持ち、アペルト実施以後のさらなる飛躍が期待できる作家を紹介していくものです。
    ※「アペルト(aperto)」は、イタリア語で『開くこと』の意味。

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

協賛:

OMO5金沢片町by星野リゾート

後援:

北國新聞社