期間:
2025年10月18日(土) - 2026年3月15日(日)
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
2025年10月18日(土) - 2026年3月15日(日)
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
金沢21世紀美術館 展示室
7〜12、14、交流ゾーン
一般 1,200円(1,000円)
大学生 800円(600円)
小中高生 400円(300円)
65歳以上の方 1,000円
※本展観覧券は同時開催中の「コレクション展」との共通です
※( )内はWEB販売料金と団体料金(20名以上)
※当日窓口販売は閉場の30分前まで
月曜日(ただし10月27日、11月3日、11月24日、1月12日、2月23日は開場)10月28日、11月4日、11月25日、12月30日〜1月1日、1月13日、2月24日
展示室14 スケーター専用利用についてのお願い:
展示室14は、美術館閉場前の1時間はスケーター専用の時間となります。
火曜日〜木曜日および日曜日は 17:00〜18:00、金曜日・土曜日は 19:00〜20:00 にご利用いただけます。(上記時間帯は、スタッフの案内にしたがってご利用ください。)
※光庭(屋外展示作品)は、雨天・降雪時、閉場いたします。
概要
アートチームSIDE COREは、これまで東京を活動の舞台としながら、日本各地でもプロジェクトを展開してきました。そうした実践の背景には、2011年の東日本大震災を契機に実感した 「都市はあらゆる側面で他の地域に依存して成り立っている」という気づきがあります。彼らはストリートカルチャーを「都市の公共空間における表現」にとどめるのではなく、「道=異なる場所や価値観を媒介するもの」として再定義してきました。つまり、ストリートカルチャーを、 都市の路上に閉じた表現ではなく、地域と地域をつなぎ、移動や文化の連鎖反応に基づく表現運動として捉え直すことを試みています。 本展は「道路」や「移動」という視点から、「異なる場所をつなぐ表現」をテーマとしています。「道や移動」をテーマにした作品展示に加え、展覧会ゾーンに期間限定で開設される無料のスペースなどを通し、美術館という空間に別の「道」を開いていきます。さらに、ゲストアーティストを招聘し、スケートボードやグラフィティ、音楽イベントといったストリートカルチャーの表現を通して、制度に拠らない生きる術を日常のなかに編み出し、それをグローバルなコミュニティで共有していく表現運動にフォーカスします。 当館がさまざまな価値観や生き方が交差する場、つまり「生きている場所」となることで、新たな関係を紡ぐ表現の可能性を提案します。
展覧会の特徴
多様な価値観が交差する道としての展覧会
「Living road, Living space(生きている道、生きるための場所)」というタイトルには、 「異なる目的や背景を持つ人びとが、一つの力や目的に縛られず、それぞれの考えや価値観を交換する営為そのもの」というSIDE COREによるストリートカルチャーの捉え方が反映されています。本展は、そうした多様な場面で「生きるための場所」を発見/ 再発見するための契機となることを目指しています。
SIDE COREの歩みを当館ならではの展示で紹介
本展では、4つのパートに分けて、SIDE COREのこれまでの歩みを紹介します。
各パートでは、破局に瀕した社会への反応、制度や役割を超えた生存のための空間、地域をつなぐ “道” を通した都市の捉え方の再考、美術館のアップデートをテーマにした作品が展示されます。
壁画、スケートパーク、音楽イベントなど、さまざまな展示・企画を展開
SIDE COREに加えて、森田貴宏、スティーブン・ESPO・パワーズ、細野晃太朗がゲストアーティストとして出展します。スケートボードやグラフィティ、音楽イベントといったさまざまな表現を展示・企画します。会期中には、展覧会ゾーンを東西に貫く無料エリアが出現し、美術館が広場のように開かれた場所になります。
都市空間を超えたストリートカルチャーの表現の可能性を提示
「ストリート」について「路上=都市の公共空間」ではなく、「道路=異なる場所同士を繋げるもの」と捉えます。そして、ストリートカルチャーが地域をまたぎ、移動や文化の連鎖反応を生み出す表現運動となる可能性を提示するロード・アートの展覧会となります。
展覧会を能登訪問のきっかけに
東京を拠点に全国各地でプロジェクトに取り組んできたSIDE COREは、2023 年の奥能登国際芸術祭への出展だけでなく、2024 年の能登半島地震以降、奥能登豪雨にも見舞われた能登半島に、ボランティアやリサーチ活動で何度も足を運びました。同年には当館アーティスト・イン・レジデンス(AIR) のプログラムにも参加し、芸術・文化に携わる人々と能登を訪れるプログラムを行いました。本展をきっかけに来館者が実際に能登を訪れる機会となるよう、能登と当館をつなぐビジティングプログラム「Road to Noto」を実施します。
日時:2025年11月15日(土)・16日(日)各日4回
①11:00-12:00/②13:00-14:00/③14:30-15:30/④16:00-17:00
会場:金沢21世紀美術館
スティーブン・ESPO・パワーズの壁画前(マイケル・リン前)
料金:参加費無料 ※予約優先
対象:推奨年齢:4〜12歳 ※小学生未満は保護者同伴
日時:2025年11月15日(土) 16:00-21:00 (開場15:30)
会場:金沢21世紀美術館地下 シアター21
料金:前売 5,000円 + 手数料/当日 6,500円
「Road to Noto」は、金沢21世紀美術館と石川県珠洲市を“道”でつなぐことをコンセプトとした地域連携型のアートプログラムです。ここでいう“道”とは、観客が能登を「知る」「訪れる」「関わる」ためのきっかけや経路そのものを意味します。
会期中(2025年10月18日〜2026年3月15日)に月1〜2回、SIDE CORE制作のオリジナルガイドブックを手に、スズレコードセンター、ラポルトすず、海浜あみだ湯、大谷地区などを巡るビジティングプログラムを開催予定です。さらに、SIDE COREやゲストアーティストによる作品展示やイベント、地元作家との協働なども展開し、アートを通して、能登半島に多面的なつながりを生み出します。美術館をハブとして能登半島の先へ。観客が一歩を踏み出すことで、展覧会は街や地域に広がるプログラムへと発展していきます。
本プログラムは、SIDE COREの2025年度アーティスト・イン・レジデンス(AIR)として、本展と連動して開催されます。SIDE COREはこれまで、作品《golden city》(2020)で東京の路上に「12体の金のネズミ」を設置し、「面白い場所」「長く残る」「誰でも見られる」という条件を重視して都市に新たな視点を提示してきました。今回の展覧会では、参加者が粘土で成形し窯で焼き上げたネズミを、11月頃からアーティストとともに美術館の入口や、壁の隙間、屋根に設置するほか、美術館の外や金沢市内のまちなかにも展開します。
「Living space=生きるための空間」というコンセプトのもと、美術館を都市とつながる“生きた空間”としてとらえ、市民参加型プログラムを通じて日常風景を新たに読み替えます。作品設置などを通じ、金沢市内のまちなかにも展開し、マップをもって探索できるようにします。そして、美術館と地域が連続する場を生み出していきます。
開催日時:2025年8月4日(月) 16:00-21:00( 開場15:30)
会場:金沢21世紀美術館 シアター21(地下)
料金:無料/予約不要
日時:2025年10月17日(金) 22:00-05:00
会場:ESŐ(〒920-0962 石川県金沢市広坂1丁目1-28 3F)
料金:2000円 / 23歳以下 1500円
photo: Shin Hamada
2012年より活動を開始、東京都を拠点に活動。
メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターは播本和宜。
個人がいかに都市や公共空間のなかでメッセージを発するかという問いのもと、ストリート カルチャーの思想や歴史などを参照し制作する。ときに他ジャンルの表現者を交えたプロ ジェクトとして、都市の死角や隙間となる場所で多彩な作品を展開。
近年の展覧会に「開館5周年記念展 ニュー・ユートピア ―わたしたちがつくる新しい⽣態系」(2025年、弘前れんが倉庫美術館、⻘森県弘前市)、「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(2024年、ワタリウム美術館+屋外、東京都)、「百年後芸術祭」(2024年、千葉県木更津市/山武市)、「第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」」(2024年、横浜市)、「山梨国際芸術祭 八ヶ岳アート・ エコロジー 2023」(2023年、山梨県北杜市)、「BAYSIDE STAND」(2023年、BLOCK HOUSE、 東京都)、「奥能登国際芸術祭2023」(2023年、石川県珠洲市)、「rode work ver. under city」(CCBTアート・インキュベーション・プログラム)(2023年、目黒観測井横 空地、東京都)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(2022年、森美術館、東京都)、「Reborn-Art Festival」(2022年、2019年、2017年、宮城県石巻市)、「水の波紋展2021」(2021年、ワタリウム美術館、東京都)
photo : Yuichi Ohara
1975年東京都生まれ。
プロスケーター、映像作家、ブランドディレクター、 株式会社FESN主宰。
1995年に設立した自身のスケート映像レーベル「FESN」は、常に世界へ向けた、斬新なスケートボード作品を発表するプロダクションとして世界的な知名度を誇る。近年は自身のライディング技術と撮影技術を後世に伝えるべく、 日夜その発展に励む。
アパレルブランド「LIBE BRAND UNIVS.」の代表も務める傍ら、ホームベースである中野で、スケートボードをハンドメイド制作、販売するショップ 「FESN laboratory」、そして全天候型スケートパークとして、大人のためのスケートボード練習場 「九五館」を高円寺にて運営する。
photo: Douglas Wirls
1968年フィラデルフィア(アメリカ)生まれ。
グラフィティを皮切りに活動を始め、サインペインティングや壁画制作を経て、現在は独自の絵画表現を確立。ファインアートとストリートカルチャーを橋渡しする多彩なプロジェクトを展開するほか、 ニューヨーク・ブルックリンにある自身のギャラリースペース『ESPO'S ART WORLD』(現『PEACE Manufacturing』)と東京・神宮前にある『ESPOKYO』 を運営。 過去には、第50回ヴェネチア・ビエンナーレ(2000 年)、ダイチ・プロジェクト(2005年)、ペンシルベニア美術アカデミー(2007年)、アリス・ギャラリー (2014年)、ブルックリン美術館(2015年)、サンフランシスコ近代美術館(2019年)などで作品を発表。現在はニューヨークと東京を拠点に活動中。 東京に触発されながら、受け取ったインスピレーションを作品というかたちで返そうと制作に励んでいる。ショップ名『ESPOKYO』は、アーティスト名「ESPO」と「TOKYO」を組み合わせた造語である。
photo: NAMPEI AKAKI
1986年東京都生まれ。
2013年にアートとファッション、音楽が交わるスペース「ANAGRA」を立ち上げ、2016年まで企画・運営を務める。2021年、アパートの一室をセルフリノベーションした 完全予約制住所非公開の芸術鑑賞室「HAITSU」を立ち上げる。現在、山梨県に移住し、都市ではできない鑑賞や展示のあり方の提示として2024年に北杜のアート施設ガスボンメタボリズム内にギャラリー〇〇(ほにゃらら)を、2025年には自宅の離れをセルフリノベーションしたリビング型ギャラリー「HAUSU」をオープン予定。
会場:交流ゾーン、展示室14
金沢21世紀美術館というユニークな建築空間に、新たな“道”が現れます。交流ゾーンにはスティーブン・ESPO・パワーズによる大規模な壁面作品が登場し、建物に内包された円とキューブの構造美を鮮やかに際立たせます。円形の展示室14にはプロスケーター森田貴宏による本格的なスケートパークが出現し、都市における広場のような空間へと変貌します。さらに、本展の会期中限定で「スイミング・プール(地上部)」と展示室14を無料開放し、館内を東西に貫く特別な「抜け道/バイパス」を出現させます。街に根ざしたカルチャーが美術館と交わり、共有され、再び街へとひらかれていくその循環を体感できることでしょう。
[展示室14 スケーター専用利用についてのお願い]
展示室14は、美術館閉場前の1時間はスケーター専用の時間となります。
火曜日〜木曜日および日曜日は 17:00〜18:00、金曜日・土曜日は 19:00〜20:00 にご利用いただけます。(上記時間帯は、スタッフの案内にしたがってご利用ください。)
会場:展示室7、8
展示室7・8では、SIDE COREの活動の軌跡を、過去作品やプロジェクトの再編集を通じて一挙に紹介します。キーワードは「UNDER CONSTRUCTION(工事中)」。震災やパンデミックなど社会が直面してきたカタストロフに呼応し、都市や制度の隙間で展開してきたSIDE COREの実践が改めて浮かび上がります。都市が壊され、再生する中で、人はどのように表現を続けられるのか。その問いが、これらの空間には静かに響いています。
会場:展示室8前、9、10
SIDE COREが活動を通じて見出したもうひとつのキーワードが「Living Space(生きるための空間)」です。制度や役割を超え、生存のための「微小な回路」として立ち上がる空間。それは非計画的で流動的で脆弱でもありますが、だからこそ「今を生きる」ためのリアリティを示します。
この章では、SIDE COREと共に活動してきた実践者・細野晃太朗によるインスタレーションを中心に、多様な“Living Space”の実践を紹介します。美術館が生き生きとするとき、そこにどのような出会いが生まれるのかを体感できます。
会場:光庭、展示室11
SIDE COREが今、向き合っている“道”の先には、2024年元日の地震で甚大な被害を受けた能登半島があります。本章では、震災後のリサーチから生まれた映像作品《new land》(2024)と、新作映像インスタレーション《living road》(2025)を展示します。
《new land》は、地震によって海岸隆起で生まれた新しい地面に立ち、鳥笛を吹いて鳥を呼び寄せ、餌付けを試みたパフォーマンスを記録した作品です。自然のサイクルに人間が入り込む行為を通して「風景と人の結びつき」を表現し、発災直後の風景をとらえた記録でもあります。《living road》は、東京から能登へ移動する写真家の旅をベースにした映像インスタレーションです。スクリーン上映と写真を映し出すライトボックス写真により構成されます。東京を独立した都市としてではなく、他の地域との関わりの中で成り立つ場所としてとらえ直し、地域を越えて交差するカルチャーのあり方を提示します。
都市と被災地を結び、移動の中で関係を紡ぎ直す。両作品を通じて、SIDE COREは“道”が持つ新たな可能性を探ります。
※光庭(屋外展示作品)は、雨天・降雪時、閉場いたします。
価格:未定
判型/製本:A5変型/ソフトカバー
ページ数:約250ページ
発行元:torch press
刊行日:2025年12月予定
本展にあわせ、約10年ぶりとなるSIDE COREの書籍『SIDE CORE Living road, Living space』がtorch pressより刊行されます(2025年12月予定)。前作『ATYPICAL FOOTPRINT』(2012–2014)から大きく展開した活動を総覧し、論考・作品資料・年表を収録した250ページの日英バイリンガル書籍。展覧会デザインと連動し、岡﨑真理子、加瀬透、小池アイ子、牧寿次郎の4名がアートディレクション、デザインを田岡 美紗子が務めます。
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
令和7年度 文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業
アイランドジャパン株式会社、空き家研究所、アルスコンサルタンツ株式会社、uroco aquarium works、株式会社 SGC、奥能登国際芸術祭実行委員会、奥能登珠洲ヤッサープロジェクト、海浜あみだ湯、kurkku alternative、株式会社ゴールドウイン、株式会社サインズドットコム、一般社団法人サポートスズ、珠洲市、株式会社仙台銘板、株式会社中川ケミカル、西日本旅客鉄道株式会社、ニチエ株式会社、花紫、RAMPSHOP、株式会社Linnas Design、ログズ株式会社
北國新聞社