アール issue 07 / 2017

特集「バイオテクノロジーと芸術」(特集編集:髙橋洋介+野中祐美子+鷲田めるろ)
本号の特集は、「バイオテクノロジーと芸術」です。21世紀を迎えた今、ITの革新的な発展を凌ぐ勢いで、私たちの生活や価値観までをも変えようとしているのがバイオテクノロジーです。医療や農業分野のみならず、バイオテクノロジーは芸術の領域にまでその影響を及ぼしつつあります。欧米では様々な理論と実践がなされるなか、日本国内ではほとんど紹介されていない「バイオアート」について、その代表的な論考3本の訳出およびバイオアートを美術館が扱うことの問題や可能性を指摘した論考1本を紹介し、本分野における国内での議論の一助となることを目指します。

フォーラム(フォーラム編集:野中祐美子+鷲田めるろ)
フォーラムでは、当館学芸員による所蔵作品に関する2本の研究論文と1本のインタビューを掲載します。研究論文1本目では、宮﨑豊治《眼下の庭》を「境界」というキーワードで読み解き、2本目では藤浩志《Happy Paradies(ハッピーパラダイズ)》を作品概念の拡張という観点から考察します。美術家と美術館館長という2つの立場にあった藤浩志へのインタビューでは、地域との関わり方に焦点を当てています。