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金沢21世紀美術館

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EXHIBITION展覧会

D X P (デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ

2023年10月7日(土) -
2024年3月17日(日)

インフォメーション

期間:
2023年10月7日(土) 〜2024年3月17日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
展示室7〜14(要チケット)、デザインギャラリー(無料)、長期インスタレーションルーム(無料)
休場日:
月曜日(ただし10月9日、30日、1月8日、2月12日は開場)、10月10日、31日、12月29日~1月1日、1月4日、1月9日、2月13日
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

デジタルを食べる!? ―身体と一体化するテクノロジー
デジタルテクノロジーによってこの地球という惑星、そこに住む「私たち」の生き方や感性はどのように変わっていくのでしょうか。20世紀から繰り返されてきたこの問いに対して2023年、いままでとは全く違った惑星の姿が出現しようとしています。人新世とよばれ、見えないネットワークやAI によるコントロールにひたされたこの惑星DXPでは、テクノロジーと生物との関係が日々新たに生成されています。
DXP展は、アーティスト、建築家、科学者、プログラマーなどが領域横断的にこの変容をとらえ、今おこっていることを理解し、それを感じられるものとして展開するインターフェースとなります。注目のテクノロジーであるAI、メタバースやビッグデータで構成される一つのリアリティ、そしてヴィジョンとしてのDXPは衣食住も含めた総合的なライフの可能性を提案します。
金沢21世紀美術館 長谷川祐子、髙木遊、原田美緒、杭亦舒、本橋仁

チケット料金

一般:1,200円(1,000円)
大学生:800円(600円)
小中高生:400円(300円)
65歳以上の方:1,000円
※( )内はWEB販売料金・団体料金(20名以上)
※当日窓口販売は閉場の30分前まで
※入場当日に限り「コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき」(対象期間:10月7日〜11月5日)及び「コレクション展2 リミックス・サウンド(仮題)」(対象期間:11月18日〜3月17日)にもご入場いただけます。

日時指定WEBチケット購入について:
2023年9月1日(金) 10:00〜
入場時間枠:
[1] 10:00~11:00 [2] 11:00~12:00 [3] 12:00~13:00
[4] 13:00~14:00 [5] 14:00~15:00 [6] 15:00~16:00
[7] 16:00~17:00 [8] 17:00~18:00 [9] 18:00~19:00 [10] 19:00~20:00
※ [9][10]は金・土曜日のみ

日時指定WEBチケット購入

・日時指定WEBチケット及び当日券は、指定の入場時間枠ごとの数量限定販売となります(先着順・予定数量に達し次第販売終了)。
・展覧会場入り口にて、購入済みページの二次元コード画面または印刷したものをご提示ください。
・各時間枠の開始直後は、入場待ち列ができることがあります。

関連プログラム

デジタル時代における、アートと都市に関するシンポジウム Symposium on the Relationship between the City and the Arts in the Digital Age

日時:2023年10月7日(土)、8日(日)
会場:金沢21世紀美術館 シアター21
料金:無料
助成:大林財団
【プログラム】
●2023年10月7日(土)
14:00-15:30 登壇:池上高志×デイヴィッド・オライリー モデレーター:長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長)
16:00-17:30 登壇:Keiken(ターニャ・クルス、ハナ・オオモリ)×海道賢仁 モデレーター:杭亦舒(金沢21世紀美術館学芸員)
●2023年10月8日(日)
15:30-17:00 基調講演「都市としての/現代アートにおけるメタバース Metaverse as City, Metaverse in Contemporary Art」+アーティストとのカンバセーション
登壇:ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(本展アドバイザー/サーペンタイン・ギャラリーディレクター)
モデレーター:長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長)
パネリスト:Keiken(ターニャ・クルス、ハナ・オオモリ)、キラン・クマール、シュルティ・ベリアッパ(予定)
※オブリスト氏はオンラインでの参加となります

『IDEA ― 2台のアンドロイドによる愛と死、存在をめぐる対話』 渋谷慶一郎+池上高志
日時:10月13日(金)19:00 開演 / 10 月14日(土)16:00 開演
会場:金沢21世紀美術館 シアター21
料金:前売4,400 円、当日5,500 円 9月15日(金)からPeatixにてチケット発売開始
定員:100名(先着順)
出演:Alter3、Alter4
プログラミング(Alter3):吉田崇英、johnsmith
プログラミング(Alter4):今井慎太郎
脚本:GPT
音楽、コンセプト:渋谷慶一郎(ピアノ、エレクトロニクス)
制作:ATAK
協力:大阪芸術大学

アドバイザープロフィール

Photo: Lukas Wassmann

ハンス・ウルリッヒ・オブリスト

キュレーター、ライター。2006年からロンドンのサーペンタイン・ギャラリーディレクター。アーティストだけでなく、建築家、科学者、デザイナー、映画監督、コレオグラファー、思想家と協働するなど、学際的なアプローチで知られ、活動は多岐にわたる。オンライン展示などを多く手がけ、最近はゲームの展覧会WORLDBUILDING Gaming and Art in the Digital Ageが国際巡回中。

出展作家リスト

・AFROSCOPE(ガーナ)
・レフィーク・アナドール/Refik Anadol(トルコ、アメリカ)
・アンリアレイジ/ANREALAGE(日本)
・シュルティ・ベリアッパ&キラン・クマール/Shruti Belliappa & Kiraṇ Kumār(インド)
・GROUP(日本)
・HATRA+Yuma Kishi(日本)
・Keiken(日本、イスラエル、メキシコ)
・河野富広/Tomihiro Kono(日本)
・MANTLE: 伊阪柊+中村壮志/MANTLE: Shu Isaka+Nakamura Soshi(日本)
・松田将英/Shōei Matsuda
・デイヴィッド・オライリー/David OReilly(アイルランド)
・VUILD(日本)
・東京大学池上高志研究室(協力:大阪大学石黒浩研究室)
 Takashi Ikegami Laboratory, University of Tokyo(Supported by Hiroshi Ishiguro Laboratory, University of Osaka)
・ジョナサン・ザワダ/Jonathan Zawada(オーストラリア)

ラディカル・ペタゴジー セクション

・メルベ・アクドガン/Merve Akdogan(トルコ)
・デイヴィッド・ブランディ/David Blandy(イギリス)
・明治大学宮下芳明研究室/Homei Miyashita Laboratory, Meiji University(日本)
・草野絵美/Emi Kusano(日本)
・MANTLE (伊阪柊 + 中村壮志)/MANTLE: Shu Isaka+Soshi Nakamura(日本)
・ティル・ノワク/Till Nowak(ドイツ)
・スプツニ子!/Sputniko!(日本)
・デイヴィッド・オライリー/David OReilly(アイルランド)

展覧会構成

1. GAMEの新しい見方:Play-Theater
メタヴァースは参加者がその世界観をつくる。世界をつくるのに貢献するのは誰か、誰がそれを共有するのか。アーティストがつくったメタフォリカルな美しさにみちたゲーム映像が、ゲームプレイヤーごとに異なる展開をみせる。これを皆で鑑賞する新しいインターフェースを提案する。

2. 衣:デジタルを身につける
Apple Watchのような、身体機能の拡張やデータ取得としてのデジタルでなく、身にまとうことにデジタルが介入することで感性や嗜好が多様化され、より自由な選択が可能になる。ファッションショーやフィッテイングにARをつかったり、またAIとのコラボによってデザインが生成されたり、光や音に反応するなど素材がデジタル技術で変化することで表現が広がる。

3. 住:環境/デジタル
私たちをとりまく環境をデジタルを通じて可感化、可視化することで変化するエコロジーを体感する。AI の登場は、住空間や家具をデザインするプロセスのハードルを下げつつある。そうして建築のプロセスに介入できることで住の意識が変わる、デジタルは空間想像(創造)能力を高め、空間を変容させる。

4. 食:データを摂取する
味覚はもっともデジタルとは遠い感覚にみえる。今、その味覚を新しいメディアと考え、表現から医療目的まで幅広いチャレンジがなされている。キャンディーの味がデジタル刺激によって変化したり、減塩対策としてヴァーチャルな塩分摂取を実現し、データを「摂取」することでもう一つの食べる(ダイエット)が可能になる世界。

5. AIと生きる:AIがどこまで人間性を獲得できるか
機械学習を超えてAI が自律性をもち、独自の判断や感情表現ができるようになる。その自律性は私たち人間との相補的な関係で形成される、それは私たちの鏡であり、同時に新しい人間性の可能性の提示でもある。彼らが私たちに教えてくれる「新しいヒューマニティ」の意味とは?

6. デジタルを買う:デジタルの中の新しい物質性
改竄できないデジタルとして真正さを勝ち得たNFT。デジタルアートの市場価値だけでなく、新しい鑑賞者やコレクターを開拓、表現そのものの可能性も広げた。NFTという「価値」と「交換」のインフラ、システムによって芸術、文化価値が新しい循環をはじめる。

7. データと新しい表現:絵画・インスタレーション
リサーチ結果や情報などのデータを視覚化したり、3Dプリンタで立体を作ったりするのではなく、その先のデータと創作の関係が始まっている。データを「絵の具」として絵を描く、データ処理の熱を使って彫刻をつくるなど、デジタルを通じてメディウムの新しい錬金術がつぎつぎと実現する。

8. ラディカル・ベタゴジー(新しい教育学)
AIが人間を超えるシンギュラリティがまもなく到来する今、従来的な「教育」ではもはや新しい事態に対応できない。鳥の飛び方を教えるチュートリアルビデオから、廃墟をAIで再生する修復プログラム、バイオシミュレーションまで、未来を生き抜くための斬新な教育学をみせる11のプログラムを提案。

1. GAMEの新しい見方:Play-Theater 出品作家

Keiken《Morphogenic Angels: Chapter 1》
インスタレーション・デザイン
© Keiken

Keiken

Keikenは、2015 年にダーニャ・クルス、ハナ・オーモリ、イザベル・ラモスによって設立されたアーティスト集団で、ロンドンとベルリンを拠点に活動している。映像、ゲーム、インスタレーション、拡張現実(XR)、パフォーマンスなどの表現形式を通して、ポスト・ヒューマンの未来世界に対する想像を描く。
本展で展示する最新作RPGゲーム《Morphogenic Angels: Chapter 1》は、プレイヤーが人間との相似性がありながら駆け離れた「モルフォジェニック・エンジェル(形態形成天使)」という存在を操作し、千年後火星のような世界を理解する旅に出る。会場では鑑賞者がゲームをプレーできると同時に、没入型インスタレーションを通してゲームの世界観も体験できる。
https://keiken.cloud/

2. 衣:デジタルを身につける 出品作家

© Tomihiro Kono & konomad

河野富広 Tomihiro Kono

愛媛県出身。ウィッグ・アーティスト。ビョークやNew Jeansなどのアーティストにウィッグを提供している。美容師としてキャリアをスタートし、セッションヘアスタイリスト、ウィッグ・アーティストと自身の肩書きをアップデートしながら活動と表現の幅を広げ、近年は美術館などでウィッグ・インスタレーション展示を行う。アーティスト活動と並行して、自身が立ち上げたクリエイティブ・プラットフォーム「konomad」のディレクターとして、展示、プロジェクト、ポップアップイベントの企画を手がける。また、konomad editions として本の出版も行う。
今回の展示では、2020年のパンデミック時に制作したウィッグのARフィルターを発展させた作品を発表し、デジタルにおいて身につけることとは何かを問いかける。
http://www.tomihirokono.com/

アンリアレイジ《=(2023-24 年秋冬)》2022
© Koji Hirano

アンリアレイジ ANREALAGE

デザイナーの森永邦彦によって2003 年に設立されたファッションブランド。森永は1980 年、東京都国立市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い服づくりをはじめた。2005年東京タワーを会場に東京コレクションデビュー。2014 年よりパリコレクションへ進出。2019 年フランスの「LVMH PRIZE」のファイナリストに選出、同年第37回毎日ファッション大賞受賞。2020 年イタリア・FENDIとの協業をミラノコレクションにて発表。2021年ドバイ万博日本館の公式ユニフォームを担当、2023 年ビヨン
セのワールドツアー衣装をデザイン。
今回は長らくデジタルとファッションの関係について取り組んできた本ブランドの現在地を紹介する展示となる。
https://www.anrealage.com/

HATRA+Yuma Kishi《TUNER》2019
© HATRA+Yuma Kishi

HATRA+Yuma Kishi

HATRAはリミナル・ウェアを提案する東京を拠点とするファッションブランドで、3Dクロスシミュレーションや生成AIを駆使して身体観を探求している。一方、岸裕真は日本のアーティストで、AIを用いたデジタル作品や彫刻を制作している。西洋とアジアの美術史を元に、美学の認識を歪めることを企図する。
今回、二組がユニットとして展開するのは独自にチューニングしたMaryGPT / ChatGPT /人間、三者による対話システムと、それらの関係についての衣服を介した問い直しである。
HATRA
Yuma Kishi

3. 住:環境/デジタル 出品作家

VUILD《学ぶ、学び舎》2023
© VUILD

VUILD

VUILD株式会社は、2017年に秋吉浩気により設立された建築系スタートアップ会社である。テクノロジーの力で誰もが作り手になる、建築の民主化を目指し様々なサービスを提供している。
本展では6ヶ月の会期中、動き続けるインスタレーションを展開する。具体的には、来場者は自由なイメージに基づく「椅子」の妄想を言葉で発する。その言葉から、AI が3Dのモデルを作成する。こうして出来たモデルの一部を、VUILDのもつリアルに翻訳するテクノロジーと、木材加工用のCNCルータ「Shopbot」で会場内に実現していく。VUILDがすでに社会に実装している様々なサービスを援用したこのインスタレーションは、建築や都市の新しい生み出され方を暗示させるものとなる。
https://vuild.co.jp/

2023年3月10日から21日にかけて行われた都市型展覧会「AUGMENTED SITUATIOND」のGROUPによるAR作品。暗渠となった渋谷川が、携帯電話の画面を通じて可視化される。渋谷の街を歩きながら、本来の渋谷の自然が身体化される仕組み。

GROUP《Repair of the water environment in Shibuya》 2023
© GROUP

GROUP

GROUPは井上岳、大村高広、齋藤直紀、棗田久美子、赤塚健による建築コレクティブ。建築プロジェクトを異なる専門性をもつ人々が仮設的かつ継続的に共同する場として位置づけ、建築/美術/政治/労働/都市史の相互的な関係性に焦点を当てた活動を展開している。
本展では、ARやVRの総称であるXR(クロスリアリティ)技術を使用して、物理的に存在しない建築の可能性を提示する。そこでは金沢の降水量が可視化・空間化されるだけでなく、展示室をつなげるデジタルハンドアウトとしても機能する。
https://sites.google.com/groupatelier.jp/group/

MANTLE(Shu Isaka+Soshi Nakamura)《simulation#1》2022
© MANTLE

MANTLE (伊阪柊+中村壮志) MANTLE (Shu Isaka+Soshi Nakamura)

映像表現を探究するアーティストである伊阪柊と中村壮志によって結成されたアートコレクティブ。 彼らはあらゆるサイトスペシフィシティにアクセスし、直接観察できない現象や、人間の時間軸を超えた長期および短期の時間経過のシミュレーションや再編集を行う。その過程で発生する偶発的な要素やエラーさえも作品に取り入れ、遊戯的な手法で現在と未来の時空との接点を見出そうとする。
本展では、テクノロジーの端ともいえる落雷を、自動生成システムを通じてシミュレートする。
伊阪柊
中村壮志

4. 食:データを摂取する 出品作家

明治大学宮下芳明研究室(吉本健義・宮下芳明)《Edible lenticular: 可食レンチキュラレンズ》2022
© Miyashita Laboratory

明治大学宮下芳明研究室
Homei Miyashita Laboratory, Meiji University

明治大学宮下芳明研究室は、音楽、映像、ゲームやプログラミングも味覚も全て「表現」であると捉え、人間の表現能力を拡張する「インストゥルメント」として、コンピュータのあり方を考えている。第24回文化庁メディア芸術祭で「味覚メディアの夜明け」が審査委員会推薦作品に選出。味わうテレビ「TTTV」と、キリンと共同開発した「エレキソルト」がInnovative Technologies Special Prizeをそれぞれ受賞した。
本展では、「ラディカル・ペダゴジー」コーナーの一環として、宮下研究室が行った定量的手法を用いた、コンピュータ・AI による味の再現に関する研究を紹介する。
https://www.youtube.com/user/digitalcontentslab

5. AIと生きる:AIがどこまで人間性を獲得できるか 出品作家

Keiichiro Shibuya《Android Opera “Scary Beauty”》 2020
© Sharjah Art Foundation

東京大学 池上高志研究室
Takashi Ikegami Laboratory, The University of Tokyo

協力:大阪大学石黒浩研究室
Supported by Hiroshi Ishiguro Laboratory,University of Osaka


東京大学池上高志研究室は、15 年以上にわたって人工生命の分野に取り組んでいる。近年では、人工生命研究を通じて開発されたコンセプトを実現するために、実験的なアート作品を制作してきた。本展では、第20回「文化庁メディア芸術祭」アート部門で優秀賞を受賞したアンドロイドAlter3の最新のバージョンを発表する。Alterは、圧縮空気をコンピュータが制御して動く自律ロボットである。コンピュータの中では、人工のニューラルネットワークが自律的に動いている。
今回は、特に巨大な言語モデルであるChatGPTをAlterの脳につなげる実験をする。
https://www.sacral.c.u-tokyo.ac.jp/

[参考画像]
Kiraṇ Kumār《Six uneasy fragments (exactly) about the natural and spiritual》
© Kiraṇ Kumār

シュルティ・ベリアッパ&キラン・クマール
Shruti Belliappa & Kiraṇ Kumār

シュルティ・ベリアッパは、インド・バンガロール生まれ、ロンドンを拠点に活動している。キラン・クマールは、インド・バンガロール生まれ、オーロヴィルとベルリンを拠点に活動している。理論家であるベリアッパとアーティストであるクマールの初めての共作シリーズ「Department of Para Pedagogic Practices」(補助的教育の実践部門)は、現代におけるインド洋地域の変容を批評的に介入することを目指す。
本展で発表される第2作《補助的教育の実践部門:私は何をすべきか?何もしなくていい!わかった。》では、南アジア/東アジア哲学の中心思想の一つである「空虚」(Sunya)の概念を取り上げる。植民地主義時代にインド洋地域の文化と思想を抑圧した覇権主義に対する挑発として、AI に「空虚」の概念を学習させ、AIが自ら出した植民地主義の暴力的を認識論に対する返答を鑑賞者に見届けさせる。
https://archipelagoarchives.com/Kira-Kumar

Refik Anadol
左:《Neural Paintings》A, B, C (2023)
右:アナドールの脳波関連作品の制作方法を紹介する映像
Photo: Joshua White
Courtesy of the artist and Jeffrey Deitch, Los Angeles.

レフィーク・アナドール Refik Anadol

レフィーク・アナドールは、1985 年トルコ・イスタンブール生まれ、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動している、機械学習と人工知能の美学分野における先駆的な活動で知られているアーティストである。その作品群は、ユビ
キタスコンピューティング(遍在するコンピュータ)が人類にもたらした可能性、そしてAI の時代に人間であることの意味を取り上げ、機械が私たちの日常生活を支配する今日、時間と空間に関する知覚体験がどのように根本的に変化しているかを探求している。
本展で展示される「Neural Painting」及び「Melting Memories」シリーズは、脳波計(EEG)で異なる感情状態の人間の脳波を記録し、アーティストが独自のアルゴリズムを用い、記録されたデータを動的絵画及び彫刻に変換した作品群である。
https://refikanadol.com/

6. デジタルを買う:デジタルの中の新しい物質性 出品作家

AFROSCOPE
《You Can Cut Off Our Heads But You Can’ t Kill Our Dreams》2021
© AFROSCOPE

AFROSCOPE

AFROSCOPE(アイザック・ナナ・オポク)は、10年以上にわたりアーティストやデザイナーとして、また社会起業家として活動してきた。デジタル技術と伝統的なアナログ媒体の両方を活用しながら、脱植民地化、調和、情報過多、
ディープ・アダプテーションの概念など、さまざまなテーマを探求している。 AFROSCOPEはガーナ代表としてヴェネチア・ビエンナーレ(2022年4月)に参加したほか、いくつかの展覧会で作品を発表している。
今回は「想像力の脱植民地化」を掲げる彼の「アフロフューチャリスティック」なデジタル絵画を、日本で初めて紹介する。
https://afroscope.com/

松田将英《Lunatic Pandora》2022
©Shōei Matsuda
Photo: Naoki Takehisa

松田将英 Shōei Matsuda

1986年生まれ。2010年からSNSで活動を開始し、匿名性と集合知を主題としたネットパーソナリティを介して人々と協働するイベントやインストラクション、パフォーマンスで大きな注目を集めた。その活動はSNS以降の主体性や作者性を問い直し、都市や社会への直接的な介入を通じて新たな共同性を生み出す実践として高い評価を受けた。2020年からは実名での活動を開始し、インスタレーション、彫刻、プリント、映像など多岐にわたるメディアを用いて、ネットワーク普及後のセレブリティ、経済、景観に対するコンセプチュアルで詩的な実践を展開している。
本展では、デジタル空間においてアカウントが公式であることを示す「認証マーク」を物理的に購入できる自動販売機を交流ゾーンに設置することで、現実世界におけるアバターとしての身体とその真実性について考える機会を提供する。
https://www.shoeimatsuda.com/

7. データと新しい表現:絵画・インスタレーション 出品作家

David OReilly《Eye of the Dream》 2018
© David OReilly

デイヴィッド・オライリー David OReilly

デイヴィッド・オライリーはロサンゼルスを拠点に活動するメディアアーティスト。デザイン、アニメーション、インタラクティブ・アートを横断的に手がける。数々の短編アニメーションを制作し、それらはオンライン上や映画祭でも高
い評価を得ている。また、スパイク・ジョーンズとのコラボレーションである映画《her /世界でひとつの彼女》では、ビデオゲームのホログラフィーを制作。その後、代表的なシミュレーションゲーム《Mountain》や《Everything》を開
発する。オライリーのAR作品はインスタグラムで30億回以上再生されている。
本展では、2018年に発表された《Eye of the Dream》をインタラクティブな映像インスタレーションとしてアップデートして展開する。
https://www.davidoreilly.com/

Jonathan Zawada《Sacrifice, An Act of Permanence》2023
© Jonathan Zawada

ジョナサン・ザワダ Jonathan Zawada

ジョナサン・ザワダは、オーストラリア、パース生まれ。タッコンビルを拠点に活動している。ザワダの活動は、
初期のルーツであるウェブデザインやプログラミングから派生し、アートディレクションなど、さまざまな分野の
知識を活かしている。現在では家具のデザイン、彫刻、動画、絵画など、多岐にわたる創作活動を展開する。
本展では、「バーチャルにおける土地の価格」などの様々なビッグデータをグラフ化し、油彩の風景画として表現し
た《OVER TIME》シリーズを発展させる。この新作では、一つのデータを イメージ、音、文字など、マルチな形
態に変換し続けることで、情報の変容と堆積をインスタレーションとして可視化する。
https://lnk.bio/zawhatthe

8. ラディカル・ベタゴジー(新しい教育学) 出品作家

スプツニ子!《幸せの四葉のクローバーを探すドローン》2018-2023
© Sputniko!

スプツニ子! Sputniko!

アーティスト。東京藝術大学美術学部デザイン科准教授。英国ロンドン大学インペリアル・カレッジ数学科および情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA) デザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像インスタレーション作品を制作している。
本展では、目視で探すことが難しかったはずの四つ葉のクローバーが、技術の発展により容易に見つけられる存在になってしまったことの皮肉を、新作の映像作品で描く。
https://sputniko.com/

草野絵美《Neural Fad》2023
© Emi Kusano

草野絵美 Emi Kusano

東京都出身、レトロフューチャーをテーマに創作活動を行うアーティスト。クリスティーズ・ニューヨークやUnitLondonなどで世界中で展示を行う。高校時代に原宿でストリート写真家デビューし、その後「Satellite Young」の主宰兼リードシンガーとしても活動し、音楽とインスタレーションアートを中心に活動。2021年、当時8歳の息子の「Zombie Zoo」プロジェクトをきっかけにWeb3ムーブメントに参加。22年インディペンデント・アニメスタジオ「新星ギャルバース」共同創設、ローンチ後販売したNFTアートはOpenSeaの取引総額ランキングで世界1位に輝いた。
今回は、画像生成AIで制作したイメージ群で構成されたインスタレーションを発表。AIと人間の記憶の関係性を探る。
https://www.emiksn.com/

Merve Akdogan, Basar Ugur《GHOST STORIES》
2023

メルべ・アクドガン Merve Akdogan

メルべ・アクドガンはクィア理論やウェラブル・テクノロジーへの関心を示し活動する、デザイナー・建築家。本展では2023年ヴェニス・ビエンナーレのトルコ・パヴィリオンで発表された作品「ゴースト・ストーリーズ」を紹介する。公募された廃墟の建築写真に対して、生成AIを使い、場が再生した架空の状況をビジュアライズさせる映像作品である。様々な社会的しがらみや先入観により行き詰まる建築の再生を、AIを介することで一足飛びに、新鮮なイメージをアウトプットする状況を見せることで、建築の場におけるAIの有効性を示そうした作品である。
https://architecture.mit.edu/people/merve-akdogan

David Blandy《How to Fly》2020
© David Blandy

デイヴィッド・ブランディ David Blandy

デイヴィッド・ブランディは、歴史や考古学への関心から、文化人類学的アプローチをもつアーティスト。その製作はときに、仮想空間での実践活動をとおして考察され、それを含め映像やパフォーマンスとして表現される。
本展で紹介する《How to Fly》(2020)も、海鳥が空を飛ぶシミュレーションを、ゲームツールを介して行い、その様子を収録したチュートリアル映像から始まる。こうしたシミュレーションを通して、自然と生き物との関係性を考察する映像作品となっている。
https://davidbrandy.com/

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
助成:
令和5年度文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業
協力:
デロイトトーマツグループ、株式会社グリッド、日本航空株式会社、ジャトー株式会社、ボーズ合同会社、コクヨ株式会社、株式会社中川ケミカル、株式会社PKSHA Technology、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、ブライトモーメンツ、東京大学池上高志研究室、ヴーヴ・クリコ
後援:
在日オーストラリア大使館、北國新聞社
企画:
金沢21世紀美術館 長谷川祐子、髙木遊、原田美緒、杭亦舒、本橋仁
アドバイザー:ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(サーペンタイン・ギャラリーディレクター)