コレクション展2 歴史、再生、そして未来

2015年11月28日(土) - 2016年5月8日(日)

インフォメーション

期間:

2015年11月28日(土) - 2016年5月8日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)

会場:

金沢21世紀美術館 展示室
同時開催:粟津潔、マクリヒロゲル 2 グラフィックからヴィジュアルへ 粟津潔の視覚伝達論

休場日:

月曜日(ただし1/11、3/21、5/2は開場)、12/28〜1/1、1/12、3/22

料金:

一般=360円(280円)
大学生=280円(220円)
小中高生=無料
65歳以上の方=280円
※( )内は団体料金(20名以上)前売り券販売はありません。

上記の観覧券で、同時開催の「粟津潔、マクリヒロゲル2 グラフィックからヴィジュアルへ 粟津潔の視覚伝達論」もご覧いただけます。

お問い合わせ:

金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

本年度のコレクション展Ⅰは、私たちにとっての「いま」を問いかける機会としました。それに続くコレクション展Ⅱは、近年新たに収集された作品の紹介とともに、既存のコレクションを再解釈することによって私たちの「未来」を考察する展覧会です。様々な国において、また国内の諸地域においても社会的な価値観が短期間で変化してゆく21世紀のなかで、現代美術はどのような可能性を持つのでしょうか。「歴史」や「再生」というテーマのもと、これからの私たちがたどる道程を皆さんと共に想像する機会となれば幸いです。
また昨年に続き、「粟津潔、マクリヒロゲル2」も同時開催します。今年度のタイトルは「グラフィックからヴィジュアルヘ:粟津潔の視覚伝達論」。1955年の第5回日本宣伝美術(日宣美)展にて《海を返せ》で日宣美受賞以降の日宣美展の出品作品ほか、1960年代の粟津潔のグラフィック及び表現を紹介します。

関連プログラム

ギャラリートーク

日時:2016年3月12日(土) 14:00〜(40分程度)担当キュレーター:内呂博之
   2016年4月9日(土) 14:00〜(40分程度)担当キュレーター:内呂博之
集合場所:金沢21世紀美術館 展覧会入口前(コレクション展側)
料金:無料(ただし、当日の本展の観覧券が必要)
※3/12、4/9は美術奨励の日です。金沢市民であることを証明できるものをご提示いただくとコレクション展は無料で観覧いただけます。

青野文昭 ワークショップ&トークセッション「未来への彫刻」

日時:1月31日(日) 11:00〜17:00
   11:00〜 ワークショップ、16:00〜 トークセッション
   ※トークセッションはどなたでも参加可能です。(先着30名)
集合:キッズスタジオ
定員:先着10名
対象:中学生以上
料金:無料
持ち物:昼食と飲み物、品物2-3点(自宅にある使わなくなったものや、外で拾ったものなど)

出品作家

  • 《なおす・代用・合体・連置「震災後亘理町荒浜で収拾した部屋—壁面の復元」2013》2013
    金沢21世紀美術館蔵
    © AONO Fumiaki
    photo: SAIKI Taku

    青野文昭

    1968年宮城県仙台市生まれ、同地在住。1992年、宮城教育大学大学院美術教育科修了。在学中から「修復」という概念を作品に取り入れ、捨てられた物を収拾して、その欠損部分を修復することで彫刻作品を制作してきた。全体がどのような形であったのかを推測しながら、完全に元に戻すというわけではなく、欠けている部分に新たに別の物を充て、補い、なおすという作品である。融合や浸食によって異形を生み出す行為は、街中の既存の壁や路上にも及び、「美術の作品とは一体何か」についての疑義と批評も含んでいる。

  • 《Wood No.5 CJ》 1984
    金沢21世紀美術館蔵
    © KADONAGA Kazuo
    photo: SHOZU Kazuo

    角永和夫

    1946年石川県白山市(旧・鶴来町)生まれ、石川県金沢市在住。当初、画家を志していた角永は、コンセプチュアル・アートを学ぶ中で、木を素材とした作品を制作するようになる。皮を剥いた杉の丸太を横にスライスした作品や、同じく丸太を小さなブロックに裁断した後、再び丸太の姿に構成するといった制作スタイルを1980年代に確立。ガラスや紙、竹など、他の素材を用いる場合も人為的な加工を極力排除し、素材がもともと持ち合わせている性質や作品の生成のプロセスを可視化するような制作態度を貫いている。

  • 《爆—転生》 1999
    金沢21世紀美術館蔵
    © FUJII Kazunori
    photo: SAIKI Taku

    藤井一範

    1969年富山県南砺市(旧・井口村)生まれ、同地在住。金沢美術工芸大在学中に同大教授であった久世建二の影響を受け、陶芸の素材である土の物質性に着目する制作態度を学び、独創的な造形の在り方を模索する。在学中に自ら「爆陶(ばくとう)」と名付けた独自の表現方法を生み出し、以後、制作の中心となる。「爆陶」とは、成形した土に火薬を仕込み、それを爆発させたものを乾燥の後、焼成して作る造形である。爆発という自然の極地といえる現象と、火によって形を永久的に残す土という素材の両者に深く関わることで生まれる藤井の造形は、芸術行為の根本に立ち戻るものでもある。

  • 《フィンランドで最も電化した町》 2004-2012
    金沢21世紀美術館蔵
    Mika Taanila 2012 © Kinotar/Elotar
    photo: Anders Sune Berg
    courtesy of Kinotar Oy and Mika Taanila
    The photo is taken at dOCUMENTA (13) in June 2012.

    ミカ・ターニラ

    1965年ヘルシンキ(フィンランド)生まれ、同地在住。ヘルシンキ大学で文化人類学を修めた後、事実とファンタジーの境界を往来しながら「テクノ・ユートピア」とも呼ぶべき未来の光景を独創的な短編フィルム、ヴィデオ、写真の作品として発表してきた。テクノロジーが現代社会において震央になるかについては、近代化の中で芸術の主要なテーマのひとつになったが、厳密なストーリーを持たない、事実を混ぜ合わせたようなターニラの作品は、実験的である以上に、創造的なドキュメンテーションといえる。

  • 《ビバ・リバ・プロジェクト―スタンダ―》2001
    © YANOBE Kenji
    金沢21世紀美術館蔵
    photo: KIOKU Keizo

    ヤノベケンジ

    1965年大阪府茨木市生まれ、大阪府高槻市在住。鉄など様々な素材を使って立体作品を制作するアーティスト。原体験として日本万国博覧会(1970年)を持つ。それは、心躍らされる「未来」であったが、会期終了後はその未来の「廃墟」となった。人が抱く「夢」と、その「実現」との間にある断絶。両者の間で葛藤しながらいかにサバイバルするかということを制作のテーマとしている。2001年頃よりリバイバルをテーマに掲げ、「廃墟」からの再生を追求する。

  • 三瀬夏之介

    1973年奈良市生まれ、山形市在住。はじめ京都・奈良を拠点に制作活動を行っていた三瀬は、山形の大学で教鞭をとるようになった2009年頃から、東北の風土・風俗に対する民俗学的なアプローチを試み、それによって現代美術の可能性を追求するようになる。画家は、墨のたらし込みやデカルコマニーによる偶発的なイメージ、細筆を用いて墨で繊細に描き出されたモティーフなどを組み合わせ、和紙の断片を一つ一つ継ぎ接ぎしながら画面を構成・拡張させていく。そこには特定の地域に固有の様相ばかりではなく、実際に目にすることの出来ない宇宙の成り立ちや広がりまでも表現しようとする画家の高い意識が投影されている。

同時開催「粟津潔、マクリヒロゲル 2 グラフィックからヴィジュアルへ:粟津潔の視覚伝達論」

  • 粟津潔《視点の移動》1963
    金沢21世紀美術館蔵
    ©AWAZU Yaeko
    Photo: SUEMASA Mareo

    2014年からスタートした「粟津潔、マクリヒロゲル」展は、2006年から2007年度に粟津デザイン室から受贈した約4000件の作品・資料の継続的な調査から、毎年、多角的な切り口で粟津潔の世界を紹介するシリーズです。2回目となる今年度の展覧会タイトルは、「グラフィックからヴィジュアルへ:粟津潔の視覚伝達論」です。
    1960年代は、1960年世界デザイン会議の日本開催に始まり、1964年東京オリンピック、1970年日本万国博覧会への動向、1965年のグラフィック・デザイン展「ペルソナ」、1970年日本宣伝美術協会解散など、デザイン界において、劇的な発展と変化の時代でした。
    当館所蔵の《視点の移動》は、粟津潔が1963年に手がけたポスター・サイズのレリーフ作品です。本作品は第13回日本宣伝美術協会(日宣美)展に出品されたものであることが今年の調査で判明しました。日宣美は、1951年に第1回展、1969年の第19回目を最後とし、翌1970年に解散しました。粟津潔は、1955年の第5回展にて《海を返せ》で日宣美賞を受賞以降、1965年(第15回)を除き、1962年(第12回)から1968年(第18回)まで審査員を務めるなど、本協会において主要な役割を担う存在でした。
    本展覧会では、《視点の移動》に見受けられる波、指紋、「視点の移動」という文字といった特徴に焦点をおきながら、1960年代の粟津潔の活動、特に、デザイン会議の関連展覧会、日宣美展、「ペルソナ」展に出品された作品や関連作品・資料を展覧します。さらに、1968年に複数台のスライド・プロジェクションを用いた空間表現「エンバイラメント」への展開を紹介します。1960年代に粟津が志向したグラフィック・デザインは、グラフィックからヴィジュアルへ、すなわち、視覚伝達という考え方を発展させ、「視覚伝達論」*1に結実します。こうして、1960年代に確立していった粟津潔のグラフィズムを考察します。

    *1『デザインの領域4(現代デザイン講座)』(風土社、1969年)pp.91-152に収録

  • 粟津潔

    1929年東京都生まれ、2009年神奈川県川崎市にて逝去。
    独学で絵・デザインを学ぶ。1955年、ポスター作品《海を返せ》で日本宣伝美術会賞受賞。戦後日本のグラフィック・デザインを牽引し、さらに、デザイン、印刷技術によるイメージの複製と量産自体を表現として拡張していった。1960年、建築家らとのグループ「メタボリズム」に参加、1977年、サンパウロ・ビエンナーレに《グラフィズム三部作》を出品。1980年代以降は、象形文字やアメリカ先住民の文字調査を実施。イメージ、伝えること、ひいては、生きとし生けるものの総体のなかで人間の存在を問い続けた。その表現活動の先見性とトータリティは、現在も大きな影響を与えている。

関連書籍

  • 粟津潔、マクリヒロゲル1「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」粟津潔、マクリヒロゲル2「グラフィックからヴィジュアルへ:粟津潔の視覚伝達論」記録集

    デザイン:鷲尾友公
    価格:2,700円(税込)※DVD2点付
    収録内容:
    ◯粟津潔、マクリヒロゲル1「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」
    ・展示風景
    ・「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」北出智恵子(調査報告兼論考)
    ・「パフォーマンスからみた粟津潔の世界」三田晴夫(2014.9.14講演会採録)
    ・「《海を返せ》《パフォーマンス・スコア》調査と修復」中越一成、梶青華2014.9.15講演会採録)
    ・インタヴュー:原広司
    ・「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」目録(全110件)
    ・付属DVD2点(1. ドキュメンタリー/2. パフォーマンス記録)
    ◯粟津潔、マクリヒロゲル2「グラフィックからいヴィジュアルへ:粟津潔の視覚伝達論」
    ・展示風景
    ・「粟津潔の視覚伝達論」北出智恵子(調査報告兼論考)
    ・インタヴュー:杉浦康平
    ・「グラフィックからヴィジュアルへ:粟津潔の視覚伝達論」目録(全93件)
    ◯巻末資料
    展覧会概要/関連プログラム/作家プロフィール/ゲスト・プロフィール

    ○付属DVD
    ・DVD1:ドキュメンタリー「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」
     - 編集、制作:中川陽介
     - グラフィック、イラストレーション:鷲尾友公
     - 出演:粟津潔、鷲尾友公、環ROY、スガダイロー、鈴木ヒラク、三田晴夫、中越一成、梶青華、武田雄介、高橋悠治、秩父前衛派(笹久保伸、青木大輔、イルマ・オスノ)、島田瑠璃里、梅田哲也

    ・DVD 2 「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」パフォーマンス記録
     - 編集・制作:中川陽介
     - グラフィック、イラストレーション:鷲尾友公
     - コンテンツ
      1. 環ROYパフォーマンス「いくつもの一緒」
      2. スガダイロー×鈴木ヒラク ライヴ
      3. 高橋悠治×秩父前衛派(笹久保伸、青木大輔、イルマ・オスノ)パフォーマンス
      (ほか参加者:鷲尾友公、武田雄介、中川陽介、ナカサアンドパートナーズ、北出智恵子)
      4. 島田璃里×梅田哲也パフォーマンス「ヴェクサシオン:サティと粟津と回遊する」
      5. 粟津潔「Summer Performance 1979」

    金沢21世紀美術館 ミュージアムショップ(TEL 076-236-6072)にて販売中

Images

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]