コレクション展

ソンエリュミエール - 物質・移動・時間

2012年4月28日(土) - 2012年11月4日(日)

インフォメーション

期間:

2012年4月28日(土) - 2012年11月4日(日)
10:00〜18:00 (金・土曜日は20:00まで)

会場:

金沢21世紀美術館

※展示室12、長期インスタレーションルームの展示期間は、8月31日(金)までです。

休場日:

月曜日(ただし、4月30日、7月16日、8月13日、9月17日、10月8日は開場)、7月17日(火)、9月18日(火)

料金:

<当日>
一般=350円
大学生・65歳以上=280円
小中高生=無料

<団体>(20名以上)
一般=280円
大学生=220円
小中高生=無料

*前売券販売はありません。

音声ガイド:
■館内貸出し
一般    200円
友の会会員 100円
*総合案内・チケット販売所にて貸出します。
*友の会会員は会員証をご提示ください。

■無料ダウンロード
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お問い合わせ:

金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

光には闇があり、音には無音がある。それぞれは対概念ではなく、ひとつの事がもつ性質である。フランス語で「ソン(son)」は音、「リュミエール(lumière)」は光を意味する。「ソンエリュミエール」は、1952年にフランスで最初に開催されたイヴェントに由来し、以後、照明と音響効果を用いて史跡や有名建築を語る豪華なスペクタクルショーのことを指すようになった。太陽が沈んだ闇夜に人工光が輝き、音楽が流れ、名所の謂れが語られる光景は煌びやかで幻想的である。同時にその効果は表面的で場の固有性は光と音の華やかさに取って代わられ画一化されてしまう。

過剰な情報が氾濫し、莫大なエネルギーが消費される現在、私たちは機械計測的に刻まれる時間に束縛されて日々の生活を送っている。支配的制度としての時間から解放された時、私たちの知覚は変容し、見慣れた現象が新たなかたちをとって姿を現す。光の流れ、音の移動、月の満ち欠け、鉱物に流れる時間—有機的な時空間の中では、流れる時の方向は多様で、個々の経験は計り知れない多義性を帯びた旅となる。

本展覧会では、現代の美術家をそんな旅人と捉え、特に物質、移動、時間をキーワードに世界を見つめ直す。粟津潔、秋山陽、ヤン・ファーブル、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、木村太陽、岸本清子、草間彌生、ゴードン・マッタ=クラーク、カールステン・ニコライ、ゲルハルト・リヒター、サイトウ・マコト、田嶋悦子、マグナス・ヴァリン、アンディ・ウォーホル——彼らは物質の性質と力を習得することによって、自己、イメージ、行為といった非物質的な存在に、物理的なかたちを与える。あるいはまた、物質に依ることで立ち現れる造形表現は、エネルギーの運動態として私たちの眼前にあらわれ、未知なる体験をもたらすとも言える。

ここに切り拓かれた思惟の宇宙を遊泳する旅はつかのまではかなくとも、またとない瞬間として確実に鑑賞者ひとりひとりに記憶されることだろう。

関連プログラム

作家プロフィール

  • 陶、鉄 H97×W158×D102cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © AKIYAMA Yo
    撮影:斎城卓

    秋山 陽 AKIYAMA Yo

    1953年山口県下関市(日本)生まれ、京都市(日本)在住。
    ひび割れが生じた黒陶による独創的な表現の確立を皮切りに、秋山陽は、大地の在り様そのものをテーマとしながら黒陶や高火度焼成による陶の造形表現を開拓し、国際的に高い評価を受ける。黒陶では、ひび割れた地表さながらの様相を呈した板状の陶による「準平原(Peneplain)」と名付けられた一連の作品を発表してきた。このシリーズは表面から内部の充足へと向かい、球体の完成に至って完結をみる。以降、秋山は焼成方法や表現の形式を変えつつも、一貫して土の塊との対話のなかで大地の多様な有り様をえぐり出し提示し続けている。
    (FM)

  • 鉛 W34.4×D52cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © AWAZU Yaeko

    粟津 潔 AWAZU Kiyoshi

    1929年東京都(日本)生まれ、2009年神奈川県川崎市(日本)にて逝去。
    絵画、デッサンを独学で学ぶ。ポスター作品《海を返せ》で1955年日本宣伝美術会展・日宣美賞受賞。デザインと印刷技術によるイメージの複製と量産の領域へ接近し、戦後日本のグラフィック・デザインを牽引し礎を築いた。1960 年、建築運動「メタボリズム」に参加。1977年、サンパウロ・ビエンナーレに《グラフィズム三部作》を出品。1980年代以降は、象形文字やアメリカ先住民の文字調査を実施する等、鋭い批評眼を現代文明に向け、「21世紀を生きる神童」として《H2Oアースマン》と名づけたキャラクターを創出。生きとし生けるものの総体のなかで人間の存在を問い続けた。近年その表現活動の先見性とトータリティを再評価する機運が高まっている。
    (FM)
    ※本作家作品展示期間は、8月31日までです。

  • 1978/2006
    木、ポリエステル、画鋲、釘、角砂糖 
    H140×W60×W60cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © Angelos /Jan Fabre
    photo:Attilio Maranzano

    ヤン・ファーブル Jan FABRE

    1958年アントワープ(ベルギー)生まれ、同地在住。
    ヤン・ファーブルは1980 年代より美術、演劇、オペラ、パフォーマンス等、様々な分野で精力的な活動を展開する。昆虫やクモの観察から構築されたドローイング作品や動物の死骸や剥製を取り入れた彫刻作品、また、血や塩などを用いたパフォーマンス、詩の創作を行ってきている。ファーブルの様々な表現活動は互いに結びつき関連しながら、今日のキリスト教文化やその意義を問いつつ、人間の存在の根源、生と死、宗教と科学、人間と芸術といった普遍的な問題を我々に突きつける。
    (MD)

  • ダヴィッド・ヴァイス
    《無題(コンクリート・ランドスケープ)》2010
    コンクリート、石、台
    約H12×W100×D200cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © Peter FISCHLI David WEISS
    撮影:渡邉修

    ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス Peter FISCHLI David WEISS

    ペーター・フィッシュリ:1952年チューリヒ(スイス)生まれ、同地在住。
    ダヴィッド・ヴァイス:1946年チューリヒ(スイス)生まれ。2012年同地にて逝去。
    1979年、ソーセージやハムで日常を再現し写真に撮った風景画「ソーセージ・シリーズ」を発表。以降、様々なメディアを柔軟に操り、身近な光景や事物に真摯な眼差しを向け、意味のずれや解釈の多様さを綿密な計画、偶然性によって提示する。ミニマリズム、コンセプチュアリズムといった概念主導の美術動向の中、支配構造への反発から起こったパンクの精神を備えた彼らは、身近な素材と明解な仕掛けという手法、自身の技術の範囲で膨大な時間とエネルギーを注ぎ制作する。その表現は、極大と極小、平凡と非凡、道理と不条理、秩序と無秩序が混在し、人間社会の本質を浮き彫りにする。
    (KC)

  • ヴィデオ、モニター、ヴィデオデッキ、ティッシュ、トイレットペーパー 11分10秒
    金沢21世紀美術館蔵
    © KIMURA Taiyo
    撮影:中道淳/ナカサアンドパートナーズ

    木村太陽 KIMURA Taiyo

    1970年神奈川県鎌倉市(日本)生まれ、同地在住。
    木村太陽は、1990 年代初頭から、牛乳パック、ゴミ袋、洗濯籠など、この国で生活すれば誰しも必ず目にする日常的にどこにでもあるものを用い、彫刻、インスタレーション、映像作品を制作している。人間の身体的な違和感や生理的な不快感、独特のユーモアや残虐さが混在する作品世界は、人間の存在性についての探求であり、一貫して木村の制作テーマとなっている。
    (MD)


  • 《昼(日本の花シリーズ・山桜)》1984
    アクリル、ラッカー/ベニヤパネル 
    H183×W183cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © IIDA Yoshiko
    撮影:斎城卓

    岸本清子 KISHIMOTO Sayako

    1939年愛知県名古屋市(日本)生まれ。1988年同地にて逝去。
    1960年代の東京で起こった「ネオ・ダダ・オルガナイザーズ」に参加し、1988年に没するまでパフォーマンス活動や絵画制作を精力的に行った。常に、男性型文化支配、権力支配思考型文化、男根主義社会の構造に対する痛烈な批判を制作の根底に据え、多様な作品群を生み出した。特に1980 年代は、積極的なパフォーマンス活動やダイナミックな絵画作品の展開をとおして、社会批判を深化させ、さらに個の在り方、表現について問い続けた。
    (MD)


  • 《Iʼm Here, but Nothing》 2000-
    ミクスト・メディア・インスタレーション 
    サイズ可変
    金沢21世紀美術館蔵
    © Yayoi Kusama
    撮影:中道淳/ナカサアンドパートナーズ

    草間彌生 KUSAMA Yayoi

    1929年長野県松本市(日本)生まれ、東京都(日本)在住。
    50 年以上にわたって創作活動を続ける草間彌生は、国内外の美術に多大な影響を与えてきた作家である。1950 年代初頭より国内で作品を発表しはじめ、1957 年に渡米。その後、活動の拠点をニューヨークに据え、インスタレーション作品や様々なパフォーマンスを展開していく。1970 年代に日本に帰国し、現在に至る。幼い頃からの自身の体験を絵に表すことを原点に、大規模な平面、立体、空間作品を展開し、特に、反復的で増殖的なドットや網の表現は、草間独自の世界像である。
    (MD)

  • 《一日の終わり》 1975
    スーパー8フィルム 23分10秒
    金沢21世紀美術館蔵
    courtesy: David Zwirner, New York 
    © Estate of Gordon Matta-Clark

    ゴードン・マッタ=クラーク Gordon MATTA-CLARK

    1943年ニューヨーク(米国)生まれ、1978年逝去。
    父はシュールレアリストのロベルト・マッタ。ソルボンヌ大学で仏文学を、コーネル大学で建築を学び、デニス・オッペンハイムらの助手を経て芸術家としての活動を開始。多くのアーティストを巻き込んだ多彩なパフォーマンスに始まり、都市部で打ち棄てられた建築の切断を行なってはその一部を彫刻として提示した。また、その過程を写真や映像で記録しつつ、印刷物や書籍でも積極的に発表している。
    (TKY)

  • 《テレフンケン》2000
    CD、CDプレーヤー
    ソニー・ハイブラック・トリニトロン・テレビ 
    サイズ可変
    金沢21世紀美術館蔵
    © carsten nicolai
    courtesy: Galerie EIGEN+ART Leipzig/Berlin
    撮影:中道淳/ナカサアンドパートナーズ

    カールステン・ニコライ Carsten NICOLAI

    1965年カール・マルクス市(旧東ドイツ、現ケムニッツ)生まれ、ベルリン(ドイツ)、ケムニッツ(ドイツ)在住。
    ヴィジュアル・アーティストとしての活動以外に、サウンド・アーティスト、レコードレーベル「ラスター・ノトン(r aster noton)」の主宰者として活躍。大学ではランドスケープ・デザインを学んだカールステン・ニコライは、事象を個別としてではなく、複合的な全体として捉え、絵画、彫刻、建築、サウンド、自然科学、哲学など様々な領域を融合させながら、新たな領域の創出を探求している。近年は空間を変容させることによって、鑑賞者が実際に視覚的・音響的な体験をする実験室のような作品を発表している。
    (KC)

  • 《8枚のグレイ》2001
    エナメル塗料を施したガラス、鋼鉄製部品
    H320×W200×D30cm(8点組)
    金沢21世紀美術館蔵
    © Gerhard RICHTER
    撮影:木奥惠三

    ゲルハルト・リヒター Gerhard RICHTER

    1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ、ケルン(ドイツ)在住。
    東ドイツ政府の下、美術教育を受けたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁のできる半年前にデュッセルドルフへ移住。1962年に新聞の写真を元にした《机》を発表。以後、あらゆる存在を反映する基盤として「シャイン」(光、見せかけ、仮像)をテーマとし、高度な絵画技術をもって多様なスタイルを同時期に並行させ、可視性と不可視性、写真と絵画、現実と虚構との境界を行き交いながら、「見ること」を探求し続けている。
    (KC)

  • 《マイセルフ・ポートレイト 01》2006
    アクリル、オイルインク/カンヴァス 
    H196×W155.8cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © SAITO Makoto
    撮影:斎城卓

    サイトウ・マコト SAITO Makoto

    1952年福岡県(日本)生まれ、東京都(日本)在住。
    1970年代よりグラフィック・デザインに携わり、当時から国内外で注目を集める。日本、アメリカ、ヨーロッパ、南米などでデザイナーとして数多くの受賞歴を持ち、グラフィック・デザインの領域において時代を塗り替えてきた。1990年代半ばよりデザイン活動の傍ら本格的に絵画表現に取り組み始める。その手法を批評家浅田彰は「真のコンピューター・ペインティング」と称した。人間のイメージを大胆に解体、再構築するサイトウの表現には、人間の内奥の感情をえぐり出し、新たな人間像を露にしようとする果敢な試みが伺える。
    (KC)

  • 《Cornucopia 02-XII》 2002
    陶、ガラス H70.0×W85.0×D58.0cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © TASHIMA Etsuko
    撮影:斎城卓

    田嶋悦子 TASHIMA Etsuko

    1959年大阪市(日本)生まれ、同地在住。
    制作を始めた当初は、サボテン、花、原生動物、女性の身体などをモチーフに、強烈な色彩と大胆なフォルムで、大規模な作品を手がけていた。90年代初頭から、色彩や装飾を抑え自分の中でイメージを捉え直し、形のエッセッンスを追及する方向性へと制作の転換をみせる。現在の制作の中心である《コルヌコピア》シリーズでは、ガラスと陶を組み合わせ、それぞれの素材の特性を生かしながら、生命力に満ちた造形を実現している。
    (YE)

  • 《EXIT》 1997
    3Dアニメーション映像 3分40秒
    金沢21世紀美術館蔵
    © Magnus WALLIN

    マグナス・ヴァリン Magnus WALLIN

    1965年マルメ(スウェーデン)生まれ、同地在住。
    マグナス・ヴァリンは、身体上の健常と障害の社会的区別について疑問を投げかけ、完璧で理想的な身体像という幻想から導かれる善悪、正誤、美醜といった固定概念の在り方を探求し、また、疎外される「他者」へ視線を向けた作品を制作。15世紀末の画家ヒエロニムス・ボス等、過去の図像や映画を引用しながら、歴史的にそして現在も、人間が人間を疎外する価値基準や権力の構造を浮き彫りにする。
    (KC)
    ※本作家作品展示期間は、8月31日までです。

  • 《ダイヤモンド・ダスト・シューズ》1980-81
    ポリマーペイント、シルクスクリーンインク、
    ダイヤモンドダスト/カンヴァス
    H228.6×W177.8cm
    金沢21世紀美術館蔵
    © The Andy Warhol Foundation for
    the Visual Art, Inc. / ARS, N.Y. / SPDA, Tokyo
    B0002
    撮影:斎城卓

    アンディ・ウォーホル Andy WARHOL

    1928年ピッツバーグ(米国)生まれ、1987年ニューヨーク(米国)にて逝去。
    チェコスロバキアからの移民の子として生まれ、カーネギー工科大学で広告美術を学んだ後に、ニューヨークにて1950 年代中頃から商業デザイナーとして活躍。1960 年からはファインアートの領域に進出し、大衆的なイメージをシルク・スクリーンの技法で大量に繰り返す作品で圧倒的な成功を収めた。他にも雑誌の創刊や実験映画の制作、音楽プロデュースそしてマスメディアへの多岐にわたる出演など、サブカルチャーに与えた影響も計り知れない。
    (TKY)

    FM: FUDO Misato, KC: KITADE Chieko, MD: MURATA Daisuke,
    TKY: TAKASHIMA Yuichiroh, YE: YOSHIOKA Emiko

  • パトリック・ブラン《緑の橋》2004年
    金沢21世紀美術館蔵
    photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

    「サンセット〜サンライズ・アーク」光庭プロジェクト

    出品作家及び出品作品:パトリック・ブラン「サンセット〜サンライズ・アーク」プラン
               日比野克彦《「明後日朝顔プロジェクト21」の種》
    期間:2012年7月2日(月)〜2013年3月17日(日)(予定)
    会場:金沢21世紀美術館 光庭3ほか

    プロジェクトの詳細はこちら

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館 [公益財団法人金沢芸術創造財団]