12 04

開館

金沢21世紀美術館

MENU

EXHIBITION展覧会

アペルト15 冨安由真 The Pale Horse

2021年10月30日(土) - 2022年3月21日(月・祝)

冨安由真《The Pale Horse 蒼ざめた馬》2021
©️Yuma Tomiyasu
撮影:冨安由真

インフォメーション

期間:
2021年10月30日(土) - 2022年3月21日(月・祝)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
長期インスタレーションルーム
料金:
無料
休場日:
月曜日(ただし11月1日、11月22日、1月3日、1月10日、3月21日は開場)、11月24日(水)、12月29日(水)〜2022年1月1日、1月4日(火)、1月11日(火)
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

冨安由真(1983-)は、心霊現象や超常現象、夢の世界などを題材に、現実とも非現実とも判別しがたい空間演出を特徴とする、インスタレーション作品を多く発表しています。見るものの知覚や感覚に揺さぶりをかけるような作品世界は、五感、時に第六感を刺激し、ともすれば忌避されがちな不確かで見えないものへの意識を促し、知覚体験の本質を問います。
本展のために制作された新作のインスタレーション作品は、冨安が幼少期に見た夢に構想を得ており、その夢に現れた一軒の小屋を作品の舞台としています。小屋にかけられた絵画《The Pale Horse 蒼ざめた馬》に登場する一頭の馬は、新約聖書のヨハネ黙示録にて「死」を象徴する騎士が乗った蒼ざめた馬に着想を得たものです。展示空間に足を踏み入れた鑑賞者を、現実と虚構とが交錯し合う、奇妙で幻想的な体験へと誘う作品です。
近年では従来の表現メディアである絵画とその周囲を含んだ空間の見せ方や手法に、そのダイナミズムを増している注目作家が手がける、体感を重要視して構築された作品世界は、鑑賞者に対し、見えないものを知覚させるような、新しい体験の機会を創出します。

ハンドアウト

作家ステイトメント

何かの境目にあること、不確定で、不鮮明なこと。そういったことに、私たちは不安を覚えます。けれども私たちの世界では、そういった「わからないこと」が本来はたくさんあります。心霊現象や超常現象、あるいは夢の世界といったものも、それにあたります。
私たちを不安にさせるそういったよくわからないことを、私たちは排除しながら生きていますが、そういったよくわからないものの中にこそ、大事なことが潜んでいるかも知れないと私は思っています。
私は心霊や夢などを題材に、体験型のインスタレーション作品を多く発表しています。視覚だけでなく、五感や、時に第六感を使いながら、観る人が体感し体験することに価値を感じるからです。
今回発表する《The Pale Horse 蒼ざめた馬》という作品は、私の幼少期に見た夢を元にした作品です。ボロボロの小屋、そしてそこに掛かる絵。ただの夢ではありますが、そのイメージは私たちの深層心理の中で、どこか共通して持っている風景であるとも言えます。夢の中で幼い私は、いつの間にか小屋に掛かった絵の中に入り込んでしまいます。自分がいると思っていた世界と虚構の世界の境目がなくなり、足元がぐらつくような経験。そのようなものを表現したいと私は思っています。
「The Pale Horse(蒼ざめた馬)」とは、新約聖書の『ヨハネの黙示録』(第6章第8節)に登場する馬のことです。「死」を意味する騎士が乗っており、黄泉を従えています。
小屋の中では、人間にとっては不可聴音である、19Hzの音を流しています。この19Hzという音は、耳では聞くことができないけれど、身体は感知する周波数の音であるために、不安感を誘発する音だと言われています。また、真偽のほどはわかりませんが、俗に「幽霊が見える音」だとも言われています。
私の作品を通して、観る人が「境目」を意識し、「わからないこと」に目を向けるきっかけを得てくれれば幸いです。
冨安由真

作家プロフィール

冨安 由真 (とみやす ゆま)

1983年生まれ、東京都出身。ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツにて学部と修士を学び、2017年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻(研究領域油画)修了、博士号(美術)取得。近年は、絵画の視覚表現メディアを拡張させた体験型のインスタレーションを数多く手掛ける。
主な個展に2018年「guest room 002 冨安由真: (不)在の部屋――隠れるものたちの気配」(北九州市立美術館、福岡)、「第12回shiseido art egg 冨安由真展: くりかえしみるゆめ Obsessed With Dreams」(資生堂ギャラリー、東京)、2019年「Making All Things Equal / The Sleepwalkers」(アートフロントギャラリー、東京)、2021年「KAAT EXHIBITION 2020 冨安由真展|漂泊する幻影」(KAAT 神奈川芸術劇場、神奈川)など。主な受賞歴に2010年「The Jerwood Drawing Prize 2010」入選(ロンドン)、2018年「第21回岡本太郎現代芸術賞」特別賞受賞(神奈川)など。
http://www.yumatomiyasu.com

「アペルト」シリーズとは

「アペルト」は、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会のシリーズです。
金沢21世紀美術館は世界の「現在」とともに生きる美術館として、今まさに興りつつある新しい動向に目を向けています。作家とキュレーターが作品発表の機会を共に創出し、未来の創造への橋渡しをします。
国籍や表現方法を問わず、これまで美術館での個展や主要なグループ展への参加経験は少ないが、個展開催に十分な制作意欲を持ち、アペルト実施以後のさらなる飛躍が期待できる作家を紹介していくものです。
※「アペルト(aperto)」は、イタリア語で『開くこと』の意味。

Images

    冨安由真《The Pale Horse 蒼ざめた馬》2021
    ©️Yuma Tomiyasu
    撮影:野口浩史
    Courtesy of ART FRONT GALLERY

    冨安由真《Making All Things Equal》2019
    アートフロントギャラリー展示風景
    ©️Yuma Tomiyasu
    撮影: 加藤健

    冨安由真《漂泊する幻影》2021
    KAAT 神奈川芸術劇場〈中スタジオ〉展示風景
    ©️Yuma Tomiyasu
    撮影: 西野正将

    冨安由真
    《The TOWER (Descension To The Emerald City) / 塔 (エメラルド・シティに落ちる)》
    ©️Yuma Tomiyasu
    撮影: 加藤健

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
協力:
株式会社Slacktide、時由地材、株式会社 宗重商店