コレクション展2

ダイアリー / 粟津潔と建築

2016年9月10日(土) -
2016年11月27日(日)

インフォメーション

期間:
2016年9月10日(土) 〜2016年11月27日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
展示室7〜12、14
休場日:
月曜日(ただし9/19、10/10、10/24は開場)、9/20、10/11
料金:
一般=360円(280円)
大学生=280円(220円)
小中高生=無料
65歳以上の方=280円
※( )内は団体料金(20名以上)
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

ダイアリー
ダイアリーとはラテン語の「一日」を指す「diēs」を語源とした、個人的な日記や日誌を意味することばです。書かれた、あるいは描かれたダイアリーには日々の記録が時間の積層として現れ、そこからは記憶、身体、痕跡、日常、反復といった要素を読み取ることができます。さらに個人が自らのために記したダイアリーは、パブリックに開かれることで「歴史」の一部ともなり得ます。
本展はこうした多様な拡がりを持つ「ダイアリー」というキーワードを手がかりとして、8名のアーティストによる作品を紹介します。過去の行為や出来事の記憶がかたちを伴って作品として現れるとき、私たちはそこにどのような「ダイアリー」を発見できるのでしょうか。

粟津潔、マクリヒロゲル 3 粟津潔と建築
金沢21世紀美術館は、約3000件の粟津潔の作品・資料をコレクションしています。「粟津潔、マクリヒロゲル」は、2014年より開催している小特集展示のシリーズで、粟津のコレクションを毎回異なる切り口で紹介しています。
3回目にあたる本展は、「建築」がテーマです。粟津は、1960年代の前衛的な建築運動「メタボリズム」に参加したことを契機に、多くの建築家と協働しながら空間的、環境的デザインを展開し、さらに、印刷メディアを通じて建築運動にも寄与しました。大衆に開くことを目指したモダニズムのデザインに、日本の伝統を再解釈して繋げた点に、粟津の独自性があります。本展では3つのセクション「メタボリズムと万博」「建築家との協働」「建築雑誌のデザイン」に分け、粟津のデザインが同時代の建築運動と共鳴し、それを豊かに増幅させた軌跡を紹介します。

関連プログラム

絵本を読もう

日時:2016年11月27日(日)
集合場所:授乳室前(キッズスタジオ横)
対象:大人から子どもまで

「ダイアリー」出品作家

塩田千春 《記憶の部屋》2008 / 2016
金沢21世紀美術館蔵
© SHIOTA Chiharu
photo: KIOKU Keizo

塩田千春 SHIOTA Chiharu

1972年大阪府(日本)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。
1996年にハンブルグ大学に留学して以来ドイツに拠点を求め、マリーナ・アブラモヴィッチとレベッカ・ホルンにそれぞれ師事し、自らの内側に溢れるぬぐい去ることのできない感情や感覚をインスタレーション作品やドローイング、あるいはパフォーマンスで表現している。窓を使った作品は、第1回セビリア・ビエンナーレ(2004年)で発表して以降、時に迷路のようであったり家であったりと形を変えてはいるものの、いずれも異なる記憶を持つ窓という個の集積が、亡き者や過ぎた事を、今を生きる私たちに語りかけている。

アン・ウィルソン 《日々の物語》 1997-1998
金沢21世紀美術館蔵
© 1997-98 Anne Wilson
photo: SAIKI Taku

アン・ウィルソン Anne WILSON

1949年デトロイト(米国)生まれ、シカゴ在住。
アン・ウィルソンは、レースやリネン、髪や糸などの素材を用い、「縫う」「編む」「結びつける」などの手法を駆使しながら、文化的に構築された意味規範や人々の感覚を問うような作品を制作してきた。糸や髪を布に縫い留めた平面作品から、長さ10メートルにわたる立体作品に加え、映像作品、写真作品を手掛ける。ウィルソンは、私的で身体的な素材が想起させるある種の感情、糸片や針が紡ぎ出す繊細で複雑な表情に加え、素材が背負う過去の役割や記憶などを、自らの手を通して、濃密で雄弁な世界へと紡ぎ上げている。

小西紀行 《無題》 2015
所蔵:高橋コレクション
courtesy of URANO

小西紀行 KONISHI Toshiyuki

1980年広島県生まれ同地在住。2007年に武蔵野美術大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
人物像を主に油彩で描き,その多くは自分自身の家族写真を元にした肖像画である。直線が印象的な動きの激しい絵筆のストロークは,全身を使った画家の身体の動きを感じさせ,自由な色彩は画家の感情や感覚といった心の作用を想像させる。2014年には「ノスタルジー&ファンタジー:現代美術の想像力とその源泉」(国立国際美術館、大阪),「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、東京)など国内の主要な美術館のグループ展にも出品した。

大岩オスカール 《北千住》 2010
金沢21世紀美術館蔵
© OIWA Oscar

大岩オスカール OIWA Oscar

1965年 サンパウロ(ブラジル)生まれ、 ニューヨーク在住。
大岩オスカールは、日系ブラジル移民の二世としてブラジルのサンパウロに生まれた。10代の子供時代より漫画を描き、ブラジルだけではなく、異なる文化圏のコミックや映画にも親しむ。1970年代、サンパウロのリトルトウキョウは、移民第一世代が活気のある日本人商店街を経営し、大岩は少年時代に出かけた日系映画館で観た「男はつらいよ」や「東京物語」などの映画や元気な日系人をヒントに日本というものの姿をイメージしていたという。
サンパウロ大学建築学部卒業後、26歳で活動拠点を東京に移し、建築事務所で働きながらアーティストとしても活動する。30代に入ったばかりの1995年に一年間イギリスに留学し、ロンドンで数知れない珠玉の中世絵画を眼前にして、オイル・ペインティングに取り組みはじめるようになる。ニューヨークに移るまでのほぼ12年間、100回を超える展覧会に出品するという旺盛な制作活動を日本を中心に行った。1990年代後半からアートによる地域再開発プロジェクトにも関わっており、絵画制作と平行して、1994年には立川駅近くの舗道に屋外パブリック・アート設置、2000年開催の「第一回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」における松代の《かかしプロジェクト》恒久設置作品など、空間に対する立体造形も手がけている。

マレイケ・ファン・ワルメルダム
《スカイタイパーズ》 1997
© Marijke VAN WARMERDAM
photo: KIOKU Keizo

マレイケ・ファン・ワルメルダム Marijke VAN WARMERDAM

1959年ニューウェル・アムステル(オランダ)生まれ、アムステルダム在住。
映像、写真、インスタレーション、立体などによって、日常の中のはかなさや反復を主題とした作品を制作する作家。モチーフは、水の中で拡散する白い液体や空中に浮かぶボールなど、日常的なもので、なおかつ次の瞬間には形態や状態が変化してしまうものであることが多い。映像の場合はループする短いフィルムを使用し、モチーフの状態の変化を捉えつつも反復する。日常への繊細なまなざしと変化に対する深い洞察を示す作家である。

セシル・アンドリュ 《定時課》 1990
金沢21世紀美術館蔵
© Cécile ANDRIEU
photo: KIOKU Keizo

セシル・アンドリュ Cécile ANDRIEU

1956年アルデンヌ(フランス)生まれ、石川県金沢市(日本)在住。
1980年代後半の発表当初から言葉や文字を制作のテーマとする。書物や原稿用紙をモチーフに用いることも多く、黒白を基調とする繊細で静かに張りつめた作品を制作する。言葉や文字と私たちの間にこそ真実は潜んでいる、という考えに基づき、「私の目的は、我々と言葉、我々と世界との関係を問い直す場を作ることにある」と作家は言う。コミュニケーションの不可能性も含め、言葉や文字が表現しきれない真実を再考する場を作品によって提示しようとしている作家である。

志賀理江子《おかあさんのやさしい手》、シリーズ「螺旋海岸」より2009
金沢21世紀美術館蔵
© SHIGA Lieko

志賀理江子 SHIGA Lieko

1980年愛知県(日本)生まれ、宮城県在住。
ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート卒業。国内外でのフィールドワークから導き出された「地図」をもとにした写真集『CANARY』(2007年)、ロンドン在住期に公営団地の住民にカメラを向け、そのプリントをさらに撮影した作品で構成された『Lilly』(2007年)で、2008年に第33回木村伊兵衛写真賞を受賞した。同年より宮城県に居を構え、土地と関わる身体の痕跡を写真というメディアによって表現し続けている。

ゲルハルト・リヒター《1999年11月5日》 1999
金沢21世紀美術館蔵
© Gerhard RICHTER

ゲルハルト・リヒター Gerhard RICHTER

1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ、ケルン(ドイツ)在住。
東ドイツ政府の下、美術教育を受けたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁のできる半年前にデュッセルドルフへ移住。1962年に新聞の写真をもとにした《机》を発表。以後、あらゆる存在を反映する基盤として「シャイン」(光、見せかけ、仮像)をテーマとし、高度な絵画技術をもって多様なスタイルを同時期に並行させ、可視性と不可視性、写真と絵画、現実と虚構との境界を行き交いながら、「見ること」を探求し続けている。

「粟津潔と建築」出品作家

展示風景 photo: KIOKU Keizo

粟津潔

1929年東京都生まれ、2009年神奈川県川崎市にて逝去。
独学で絵・デザインを学ぶ。1955年、ポスター作品《海を返せ》で日本宣伝美術会賞受賞。戦後日本のグラフィック・デザインを牽引し、さらに、デザイン、印刷技術によるイメージの複製と量産自体を表現として拡張していった。1960年、建築家らとのグループ「メタボリズム」に参加、1977年、サンパウロ・ビエンナーレに《グラフィズム三部作》を出品。1980年代以降は、象形文字やアメリカ先住民の文字調査を実施。イメージ、伝えること、ひいては、生きとし生けるものの総体のなかで人間の存在を問い続けた。その表現活動の先見性とトータリティは、現在も大きな影響を与えている。

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]