坂野充学と巡る鶴来バスツアー
4月23日(土)、お天気にも恵まれてアーティストの坂野充学氏と一緒に鶴来の町並みを巡るツアーに行ってきました。当イベントは2016年1月30日(土)から5月8日(日)まで開催されていた展覧会「アペルト03 坂野充学 可視化する呼吸」の関連プログラムです。
坂野氏の地元ということもあって、鶴来の魅力を濃縮して知ることができました。
鶴来は昔鍛冶屋が多い地域だったので、元々は剣という地名でした。
ただそのため火を使うことが多く、自然と火事も多い土地でした。
そこで大きな火事が発生したときに縁起の良い名前にしようということで、
鶴が来る、鶴来という地名に変わったそうです。
日本酒が美味しい土地ということで、萬歳楽の酒蔵も行ってきました。
昔から商売をしているお店なので、細かな気配りが建物の細部に行き届いていていました。
入り口の格子上部が少し外に張り出していて、理由をお店の人に聞いてみると
お客様への感謝の気持ちをあらわすために、格子がお礼をしているように作られているとのことでした。
また、吉田屋という醤油蔵も行ってきました。
プロだしというだし醤油が人気だそうです。
まちあるきの後は、江戸時代からの商家「横町うらら館」で鶴来の歴史を研究する村西博二氏、鶴来現代美術祭の立ち上げにも関わった北野一郎氏、吉田一夫氏にお話いただきました。
1991年から1999年まで開催された「鶴来現代美術祭」についてのお話を伺いました。金沢市の姉妹都市であるゲント市の現代美術館の館長であり、1992年の国際的な現代美術展のコミッショナーもつとめたヤン・フートが企画に加わった際のお話を中心に聞いてきました。
各作品選考の際に、ヤン・フートの独自の選択眼があり、どの作品が選ばれるかまわりの人は最後まで分からないという話や、元鶴来商工会青年部の吉田さんがこの美術祭に参加してから個人的にアートに興味が出て、全国のアートイベントを巡るようになったという話が印象的でした。
今年の10月には鶴来でほうらい祭りが開催されます。鶴来に少しでも興味を持った方は是非行ってみてください。
金沢21世紀美術館広報室 坂元圭