謝琳(シェリン)さんは、食べ物(ケーキ、お菓子)や髪の毛など身近な物を使って、鑑賞者や参加者が食べたり、触ったりしながら感じ取る感覚や体験を大切にするアーティストです。視覚表現の多い美術作品の中で視覚だけではなく、味覚や触覚など五感に働きかける作品やワークショップを多く手がけています。

例えば、これまで制作されたものにMellow House ver.3(1999)というグリム童話のヘンゼルとグレーテルに登場した「お菓子の家」ような作品があります。 壁も床も、椅子も机も鏡もすべてクッキーや砂糖、キャンディーなどでできた部屋が現実に目の前に現れたら...。

最初は、子供のころ夢見たお菓子の家が目の前に現れて、ドキドキ、ウキウキするでしょう。
でも食べ物が建物として現れた時の違和感もまた感じられるでしょう。 彼女の作品は、生理と経験の積み重ねでできた「人の感覚」にダイレクトに訴えかけてきます。

謝琳略歴
1967年東京生まれ。武蔵野美術短期大学専攻科グラフィックデザイン研究室卒業。自分と他者の関係を常に意識して制作し、視覚・触覚などを通して、生理と経験の積み重ねでできた「人の感覚」に直接訴える作品を発表する。ワークショップも多く手がけている。最近では『アート・スウィート・ホーム』展(広島市現代美術館)、『TOKYO SHOCK』(ドイツ、ケルン)、『デガージュマン』個展(東京、スタジオ食堂・立川国際芸術祭 '99)(以上全て1999年)などに参加。


謝琳(シェリン、Chelin)作品年表

1967年  東京生まれ
1988年  武蔵野美術短期大学専攻科グラフィックデザイン研究室卒業

1993年  "MALARIA art SHOW" (東京・神宮前)
"GINBURART"(東京・銀座全域)
1994年  なすび画廊"ヘンゼルとグレーテル"展(池袋アールヴィヴァン/東京)個展
"RICE LOVERS PROJECT"新宿少年アート(東京・歌舞伎町)
"COLONY"展(アート・ラッシュ・ギャラリー/東京)
なすび画廊 "ヘンゼルとグレーテル"展 ミュージアムシティ天神(福岡)
"Food over the World "プロジェクト(〜1995)
1995年  "Omni Bus"展(京都エイズポスタープロジェクト)ワークショップ
"相談芸術大学" (水戸芸術館)ワークショップ
BBS系 "ICC net"「電子食堂」主宰、及び、「電子パーティー」企画製作 (〜1996)
"ネットワークの中のミュージアム"(NTT IC'95)
1996年  "Mellow House"展(神宮前デジタローグギャラリー/東京)個展
"Atpic Site"展(臨海副都心国際展示場・東京都主催)
"Morfe'96" (東京・青山など)シンポジウム
1997年  "美味しいアート展 ー みる・つくる・たべる"(天保山現代館/大阪)
"New Art Auction-芸術の神々たち"(ギンザギャラリースペース/東京)
"Morfe'97 "(東京・青山など)
"2000bug"ネット参加
1998年  "おかしなアート"親子ワークショップ(福島県立美術館)
1999年  "Tokyo Shock"(プロジェクトラウム・トリロフ/ドイツ、ケルン)
"TAMA VIVANT'99"(多摩美術大学)
"Art Sweet Home"(広島市現代美術館)
"デガージュマン"(スタジオ食堂/東京 立川国際芸術祭'99)
2000年  "越後妻有アートトリエンナーレ"ワークショップ


パンフレット PDF ウラ