EXHIBITION展覧会
主催展覧会2018
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起点としての80年代
2018年7月7日(土) - 2018年10月21日(日)
1970年代のコンセプチュアルでストイックな表現に対する反動から、80年代の日本では絵画や彫刻の復権が唱えられ、好調な経済状況を背景として、色彩豊かで伸び伸びとした筆遣いの「ニュー・ペインティング」などが広まりました。しかし、90年以降の美術は、むしろ「おたく」など80年代のサブカルチャーに影響を受けた表現が主流となります。そのため、それ以降、80年代の美術は参照されることが少なくなってしまいました。近年、「具体」や「もの派」など1970年代までの戦後日本美術に関する研究が国内外で急速に進んでいます。今こそ、70年代と90年代のはざまにある80年代の日本美術について深く見つめる時期に来ていると言えます。約30年を経た今日から振り返ると、80年代は、今日の美術において重要なインスタレーションという形式、作品制作への参加や社会との関係への意識、オルタナティブ・スペース、 メディア・アート、「美術」という制度を相対化する視点、日常性や軽やかさを大切にする感性などが新たに生まれた、充実した時代であったことがわかります。本展では今日の視点から80年代の日本の美術を見詰め直し、「起点」となる作品を紹介します。
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アペルト09
西村有 paragraph
2018年10月6日(土) - 2019年3月24日(日)
西村有(1982- )は、日常の何気ない風景や行為、「生活の中の充足した時間」の断片を1枚の絵の中に複雑に重ね合わせることで一つの風景を構築します。それは、まるで小説家が言葉を紡ぎ、文章を構成し、ひとつの物語を作り上げる行為のようでもあります。ふと目にした風景、気持ちがいい空気。個人的で小規模だが、人間誰しもそうしたものに支えられているのではないか、と西村は言います。西村が描く対象は常に具象的でありながら、その独特でぼんやりとしたタッチや色調がどこか現実から遠く離れた場所かのような印象を与えます。 本展のタイトル「paragraph」は、「段落」とか「ひとまとまり」という意味で、ひとつの作品をひとつのパラグラフとして見たときに、展示室全体に散りばめられた絵画をじっくりと見る/読むことで、西村が描き溜めてきた日常の豊かな時間と風景が物語となって語りかけてくるはずです。いつまでもその空間で、西村の絵画と向き合い、いくつもの物語を想像したくなる、そんな展覧会となることでしょう。 本展では、13点の大小さまざまな新作を、鑑賞者が物語の中に入り込むかのような構成でご紹介いたします。
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東アジア文化都市2018金沢
変容する家
2018年9月15日(土) - 2018年11月4日(日)
日中韓のアートと出会うまちなか展覧会 東アジアのアーティスト22組が考える「家」を訪ねて、散歩に行こう! 我々の生きる現代では「家」は一つの社会システムとして構造化されています。建築的・物理的な 「家」は一般化しやすいのですが、表面化しない感情 、慣習や文化全般に融解している「家 」は 、多角的に考察されなければ、その意味を捉えることは困難です。とりわけ、グローバル化によって移動が常態化した今日において、人々の「家」はどこにでも、いくつもあるのか、 あるいはどこにもないのか。この問いを起点に、金沢の街なかに存在する使われていない日常空間を探し出し、日本、中国、 韓国の現代美術作家が「家」をテーマに作品を発表します。
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東アジア文化都市2018金沢 コア事業連携企画
邱志杰(チウ・ジージエ) 書くことに生きる
2018年9月8日(土) - 2019年3月3日(日)
チウ・ジージエは、幼少から学んだ「書」を表現の中心に置き、書くことを通じて、普遍的で根源的な人間の存在について問い直してきました。生誕の地である福建省は、かつて海上貿易が盛んだったこともあり、交易や移住による交流が豊かな地域です。彼のダイナミックで自由な視点を持った作品群は、そうした土地の文化にも大きな影響を受けたと考えられます。本展では、世界の有り様を俯瞰し、人と物事の関係を記述することに自身の存在を重ねる、チウ・ジージエの創造とその魅力に迫ります。
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lab.3
DeathLAB:死を民主化せよ
2018年7月7日(土) - 2019年3月24日(日)
都市における「死」をめぐるさまざまな問題―人口集中とそれに伴う深刻な墓地不足、少子高齢化、無宗教を支持する人の増加、火葬の二酸化炭素排出による環境負荷など―を考えれば、これまでにない葬送の方法を発明しなくてはならないことは当たり前の話かもしれません。 コロンビア大学の「デスラボ」は、このような課題に正面から向き合い、環境、時間、空間といった街の多種多様な制約に対応できる「死」の未来を、宗教学や建築学、地球環境工学、生物学などを横断して探求する最先端の「死の研究所」として世界的に注目されています。 この展覧会では、デスラボを主催するコロンビア大学准教授のカーラ・ロススタインとともに、「郊外へ疎外される『死』をいかに街に生きた形で取り戻すのか」「現代の都市文化に見合う『生と死の循環』とは何か」「個人が死者を追悼する空間でありながら、都市のインフラストラクチャーにもなるような公共空間はどのように実現できるのか」といった問いに対する革新的な可能性を建築模型や映像資料を通してご紹介します。
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