EXHIBITION展覧会
主催展覧会2006
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リアル・ユートピア〜無限の物語展
2006年11月23日(木) - 2007年3月21日(水)
「わたしは一度だけ自分に空想を許しました。木の枝ではためいているビニールシートと、柵という海岸線に打ち上げられているごみのことを考えました。半ば目を閉じ、この場所こそ、子供の頃から失いつづけてきたすべてのものの打ち上げられる場所、と想像しました。いま、そこに立っています。」 —カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(土屋政雄訳)※ 日常と非日常の錯綜、人間の種のあり方が攪乱する現実、個人が均一化されそれを当然なものとして受け入れることを強制する社会、危機的な状況にありながら束の間の幸福感を希求する生活。このような世界の断片を日々経験しながらも、我々は人間の愛、友情といったヒューマニティ、直感的で感覚的なものを常に探求し、そこから手繰り寄せられるような「ここではないどこか」という未来的な理想郷を求めています。 「リアル・ユートピア〜無限の物語」は、人間の認識の模様や我々が生きる世界を、多様な時間軸と空間軸が錯綜する流動的なものとしてとらえ、それらの諸相を物語る4人の作家とともに新たな世界を探求する展覧会です。人間による創造とリアリティの境界、さらには、その複雑な関係を探るイ・ブルの作品、生と死、自己と世界の関わりを無限の創造により探求する草間彌生の作品、強烈な社会批判と個という存在や表現のあり方をパフォーマンスや絵画をとおして体現した岸本清子の作品、独特の皮肉やユーモアを織り交ぜながら繊細な世界を構築する木村太陽の作品。彼らの作品世界は、個人の現実認識や創造の多様性、そしてその社会性や共同体との複雑な関わりを示唆し、また人間が、自身のルーツを探り、さらにはユートピア的な場所での自らのあり方を求めながら、「いま、ここ」を生き抜いている模様を描いています。これらの営みは、多様な時空を駈けめぐりながら、自身の存在をどのように世界に位置付けるかについての探求作業ともとらえられます。 これらの作品において体験される、過去、現在、未来、そして現実と理想という様々な枠組みが解体されながら螺旋状に結びつく諸相や、その際限ない結びつきのプロセスのなかで無限に生み出される新しい世界像をとおして、本展は、我々が生きる世界についての再考を試みます。 ※カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳『わたしを離さないで』早川書房、2006年、p344 ★特設サイトはこちら http://www.kanazawa21.jp/exhibit/real_utopia/
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アーティストによるクリスマス・デコレーション
服部睦美 ムーヴィング・クリスマス
2006年11月3日(金) - 2006年12月24日(日)
クリスマスには、街中がにぎやかに飾られ、赤や緑や輝く色彩が楽しい気持ちを盛りたてます。ちかちかと光り輝くクリスマスツリー、だぼだぼの衣装を着た不慣れなサンタクロース。私たちのクリスマスは、そんなありきたりの色やかたちで表されてしまうものなんだろうか。もっと個人的で特別な日であるように思うのに。 服部睦美さんのクリスマスのイメージは、そんな気持ちにこたえてくれるように思うのです。小さな街の風景のなかに、小さな羽を持った不思議なものたちがふんわりと漂い、また次のクリスマスへと進んで行きます。服部さんの手が打ち続けた金属の輝きは、無数の光の屈折となって、クリスマスの日に芽生えたすべての感情を受け止めてくれるかのようです。空想の中をたゆらいながら、クリスマスのイメージは連なり、時を紡いでいくのです。もしかしたら、赤い飛行機は贈り物を乗せて、猛スピードで駆け抜けてゆくのかも知れない。けれど、超高速の飛行機も服部さんのイメージのなかでは、ときどき気まぐれの風が駆け抜けるように、クリスマスを渡っていくのです。 これからのクリスマスは、自分の心の感じるままにデザインしてあげてもいいのではないでしょうか。「アーティストによるクリスマス・デコレーション」は、自分らしいクリスマスを過ごして欲しい、そんな思いから始まります。 ★特設サイトはこちら http://www.kanazawa21.jp/designgallery/movingxmas.html
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奈良美智展「Moonlight Serenade -月夜曲」
2006年9月30日(土) - 2007年3月21日(水)
国際的に活躍するアーティスト、奈良美智の世界観絵画・彫刻作品の展示によって紹介します。また、奈良自身が金沢にて滞在制作を行いながら、音楽、パフォーマンスといった他分野の活動を始動させ、制作プロセスから成果までをトータルに展観します。新作インスタレーション《Voyage of the Moon》の展示をはじめ、2003年以降、共同制作を続けている大阪のクリエイティブユニットgrafが構築する「小屋」や「カフェ」を舞台に、巨大ぬいぐるみの共同制作プロジェクト「Pup Up the Dog」や小学生の子どもが犬の着ぐるみを着て美術館を探検するプロジェクト「Pup Patrol」、イヴェント開催などジャンルを横断したクリエイティブな時空間が創出されます。
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artificial heart:川崎和男展
2006年9月16日(土) - 2006年11月12日(日)
タワシ、メガネ、インテリア、車椅子、コンピュータ、ロボット、家庭用原子力発電機から人工臓器まで、常に新たな地平を目指して飛行するデザイナー川崎和男の大規模な個展。キーワードは「いのち・きもち・かたち」。「21世紀はデザインが日本を変える、世界を救う」と主張し、最先端の技術を駆使しながら、あくまでも「手でデザインする」ことの価値を唱える川崎のデザインワークを映像と音楽を取り込んだ体験型の展示空間によって紹介する。とりわけ、ビートルズの曲を仕組んだ12のオブジェによるインスタレーション《PLATON'S ORGEL》(プラトンのオルゴール)は必見。
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コレクション展II
2006年9月1日(金) - 2007年4月12日(木)
新規収蔵作品を含む9作家34点を展示します。うち29点は開館後初公開の作品です。展示にあわせ、田中敦子《作品(ベル)》の試作を行いました。 ★特設サイトはこちら http://www.kanazawa21.jp/exhibit/collection06_2/index.html
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