開館15周年記念

現在地:未来の地図を描くために[1]

2019年9月14日(土) - 2019年12月19日(木)

当館は開館15周年を迎え、コレクション収集を開始した開館前の2000年から20年の間に約3,880件に上る作品を収蔵するに至りました。その間、社会の状況は目まぐるしく変化し、コレクション作品もその時代の空気を鋭く読み取る作品が増えていきました。本展では、改めてコレクション作品を見直す中で、多様化、複雑化する現代において自分たちの現在地がどこにあるのかを見据え、未来に向けてどのような地図が描けるのかを考えます。

エルネスト・ネト 《身体・宇宙船・精神》 2004
photo: FUKUNAGA Kazuo
© Ernesto NETO

アペルト11 久野彩子

2019年7月6日(土) - 2019年9月23日(月)

久野彩子(1983年東京生まれ)は、ロストワックス鋳造技法を用いて作品を制作します。彼女の作品は、ロウで作った精密なカタチを鋳物に置き換える手法で、硬質で重厚な金属の質感と共に、細部にまで技巧を凝らした表現も併せ持っています。本展では、金属と向かい合い、鋳造と対話しながら真摯な態度で制作する彼女の作品群を紹介します。
「都市」をテーマに、様態を変えながら増殖し、構築されていく都市のうごめく姿を想起させるものとして、堅牢な金属に施された高密度の造形美を展観します。

《transform-hemisphere-
》2018年
©️KUNO Ayako

粟津潔 デザインになにができるか

2019年5月18日(土) - 2019年9月23日(月)

「デザインになにができるか」を問い続け、行動したデザイナー粟津潔。成熟していく日本のデザイン界のなかで、揺るぎない民衆としての視点を持ち続けた粟津は、原水爆禁止のアピールや韓国民衆運動を支援するポスターなど、社会的なデザインにこだわり続けました。大阪万博のデザインやメタボリズムの建築運動への参加、映像やパフォーマンスなど幅広い活動への一貫した態度も見えてきます。粟津潔の仕事を通してデザインの可能性を問い、そして今、私たちはなにができるのか考えます。

《FALLOUT》1957年

佐藤浩一 第三風景

2019年4月6日(土) - 2019年9月23日(月)

この度金沢21世紀美術館は、今日でもなお視覚中心的な作品が多数を占める中、視覚のみならず、非視覚的な感覚、聴覚・嗅覚をも揺さぶる新たな表現を取り上げ、美術館活動の次なる可能性を探求する展覧会を開催します。こうした特徴的な表現を、これまでlab.シリーズなど数々の実験的な取り組みを紹介してきたデザインギャラリーで取り上げます。
佐藤浩一(1990-)は、人類学や植物学への関心から、これまで様々な境界線上を曖昧に揺れ動く存在の可能性を考察してきました。「わたし」と「わたしならざるもの」の合間にある、見えないけれど確実にあるその境界を問い、これらの存在がその間で揺れ動きながら共生するこれからを、映像やインスタレーションのみならず、音や香りといった非視覚的なメディウムをも複合的に組み合わせながら表出しています。
本展のタイトル「第三風景」は、風景の進化を自然のみに委ねた空間を指し示すフランスを代表する庭師ジル・クレマンが提唱した概念で、都市の空き地や農村の放棄地・国境地帯など、人間が顧みない、あるいは抑圧している場所を、あえて生物多様性を受け入れられる特権的な場として積極的に評価した言葉です。様々な要素が複雑に混在し得る第三風景は、これからの私たちの社会における、人と植物の関係性の在り方に示唆を与えるものであるといえるかもしれません。本展はこの象徴的な言葉を起点に、イチジクの生殖をテーマとした「Mutant Variations」、人工湖をテーマとした新作を含めて、佐藤浩一の現在地を俯瞰します。