コリー・アーケンジェルは、コンピューター、ヴィデオ・ゲーム・システムを用いて、作品制作、パフォーマンスを行う作家である。データやソフトウェアではなく、コンピューターの形態、構造に注目し、古い機械やシステムから、過去のある特定の時代を反映するようなイメージを切り取り、別次元へと転換させ、今を多角的に問いかける。出品作の《ミグ29ソ連製戦闘機と雲》は、展示を意識した初の作品で、ヴィデオ・ゲームの中のイメージを引用している。冷戦時代の象徴であったソ連の戦闘機と雲のイメージを抽出し、それらを展示空間全体に投影することによって、悪化する戦争、紛争、政治的情勢と人の感覚の変化などを暗示している。

(1978年バッファロー生まれ、ニューヨーク在住)


《ミグ29ソ連製戦闘機と雲》

2005
変換した任天堂カートリッジとゲーム・システム、マルチチャンネル・プロジェクション
サイズ可変
オルブライト=ノックス美術館蔵
General Purchase Funds, 2006
©Cory Arcangel
Courtesy: team(gallery,inc.)