展覧会の特徴
■金沢21世紀美術館に寄贈された作品1750点を公開
作家所蔵の全作品約2600点が金沢21世紀美術館に寄贈されました。本展ではとりわけ主要な作品1750点を一堂に披露します。 絵画、版画、原画、ポスター、装丁した書籍、彫刻、映像作品など、ジャンルを横断して活動してきた粟津潔の世界を生々しくトータルに提示します。 当館にもたらされた豊穣なイメージの森を、現時点であるがままに広く公開し、できるだけ大勢の人々と共有することによって、展覧会自体、 創造的な探求と多様な情報が集積してゆく場となることを目指します。
<所蔵作品の内訳>
絵画201点  素描・原画・イラスト・書・版下862点  ポスター277点
版画85点  パンフレット・カレンダー・チラシ等120点  書籍・雑誌等693点
写真266点  映像12点  立体22点  資料27件

■1977年サンパウロ・ビエンナーレ出品作《グラフィズム三部作》を再展示。
1977年のサンパウロ・ビエンナーレの展示会場において、粟津は出品した絵画作品自体のイメージを赤、黒、白のインクを用いてシルクスクリーンで連続して刷り、 床と壁面を覆いました。当時の記録写真を基に、そのダイナミックなインスタレーションの追体験を試みます。

■「見つめる、眺める、凝視する」粟津潔の実験映像作品上映
「阿部定」(1969年)/「インベーダー」(1969年)/「風流」(1972年)/「ピアノ炎上」(1973年)/「幻想原野」(1974年)/ 「春夏秋冬」(1974年)/「コンポジション」(1974年)/「アントニオ・ガウディの芸術」(1978年)/「KIYOSHI AWAZU 初期作品編/ 絵画編/イラスト編」/「WHITE SPACE」(1982年)

■ライブあり、トークあり、鑑賞者が参加し刻々と変貌するワークショップ・ルーム
 ディレクション:粟津デザイン室 / 協力:浜田剛爾、神谷佳男、寺井剛敏、シルクの会、金沢美術工芸大学学生
展示会場内の一室をワークショプの場として解放します。粟津の使ったシルクスクリーンの版を用いた体験型ワークショップを開催。 子どもから大人まで誰でもが粟津とのコラボレーションにチャレンジできます。不特定多数の人々の手から生まれる作品も展示してゆきます。 作品の誕生する瞬間に立ち会えるとともに、版の原理、オリジナルと複製の概念、コラボレーション、表現とはなにか等について根源的に考えます。
また、この空間では、パフォーマンス、トーク、ゼミナール、音楽ライブなど自由な形式で随時開催します。ここは会期中、何が起こるか予測できない、 いつも何かが起こり、時々刻々変化する空間です。粟津の作品の生成の息吹を現在進行形で鑑賞者が体感できる空間を創出します。

■ 書籍発行『粟津潔 荒野のグラフィズム』(フィルムアート社)
ブック・デザイン=祖父江慎  執筆=針生一郎、中沢新一ほか多数。
B5変形、277ページ(4C=200ページ)

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