スイミング・プール

© Leandro ERLICH
撮影: 中道淳/ナカサアンドパートナーズ

作品解説

金沢21世紀美術館の光庭のひとつに設置されたプール。ライムストーンのデッキが周囲を縁取り、ここから波立つプールを見下ろすと、あたかも深く水で満たされているかのように見えます。実際は、透明のガラスの上に深さ約10センチの水が張られているだけで、ガラスの下は水色の空間となっていて、鑑賞者はこの内部にも入ることができます。光庭を囲むガラス越しの眺め、プールを見下ろすと広がる風景、さらには内部からの眺めといった多様な経験が展開される本作品は、自己や他者の感覚、存在が時間をかけてゆるやかに交差する場と言い換えられるでしょう。

作家プロフィール

レアンドロ・エルリッヒ
1973年ブエノスアイレス生まれ、同地在住。
我々がどのように事象を捉え、空間と関わり、そして、現実を把握していくかということについて、レアンドロ・エルリッヒは作品を通して探求しています。生み出される作品において、空間全体はユーモアとウィットに富んだ世界に変換され、鑑賞者の知覚は混乱させられます。科学的実験の厳密さではなく、だまし絵的な世界とも言えるこれらの作品群は、知覚や認知といった問題を軽やかに扱いつつ、宙づりにされる現実を前に、我々は、人が世界をどのように捉え、自身を位置づけるかという人間存在の本質について再考することを余儀なくされます。

作品データ

制作年:2004
素材・技法:コンクリート、ガラス
サイズ:デッキの外寸:697 × 402 cm
内部の床からガラス面までの高さ:280 cm