織作峰子写真展

概要

夢の中で見た映像が、目醒める瞬間に、スーッとモノクロームの世界へと変化してゆく。その消えかかる直前の淡いトーンが私には魅力的で、ずっと気になっていた。それはふと漏らした溜息にも似た優しくて、はかない感覚である。このような感覚が、いつからかずっと私の中に、潜在意識としてあったという事実を、自分自身で解明することもなく来てしまったように思う。しかし、このいつからかということがとても重要なことで、それは自分探しのための、ひとつのキーポイントであることに気付いた。今回、花という素材と向かい合い、印画紙に写し出していく過程において、知らず知らずのうちに私自身が大いなる自然環境から受けた、私作りの素材を発見したのである。その素材とは雪である。私は雪国で雪の降る季節に生まれた、雪の音を聞き、雪の匂いを嗅ぎ、雪のぬくもりを肌で感じて育った。現実の花から一歩飛び出し、私の心の中にイメージする花を写真という形を借りて表現しようと試みた。作業が進むにつれ、その作品作りのヒントは幼い頃の体験の中にあるということに気付いた。これは自分探しの短い旅でもあった。(織作峰子)

織作峰子、初の本格的個展です。